1月2日、各局の'12年の年間視聴率が出そろい、全日帯とゴールデン帯で日本テレビが1位を獲得した。しかし、夜7時~11時帯のプライムタイム視聴率ではテレビ朝日が1位を獲得し、日本テレビの2年連続の3冠を阻止。これまで長らく日本テレビとフジテレビが2強争いを展開してきたが、'12年はドラマやバラエティー、スポーツ中継全てで安定した数字を残したテレ朝が風穴を開けた。
開局以来初となる四半期視聴率4冠を獲得したテレビ朝日の勢いは最後まで止まることがなかった。レギュラーバラエティーでは毎週月曜に放送中の「もしものシミュレーションバラエティー お試しかっ!」が平均14.5%(最高20.1%)、同じく月曜の「Qさま!!」が13.7%(最高19.1%)、毎週火曜に放送中の「ロンドンハーツ」が13.6%(最高17.5%)と安定して高い数字を記録。スペシャル番組では、7月1日の「とんねるずのスポーツ王は俺だ!!真夏の猛特訓スペシャル」が18.5%、5月1日の「ロンドンハーツ&アメトーーク!姉妹番組が初のコラボ一夜限り3時間SP!!」が16.4%、5月6日の「日曜洋画劇場特別企画 相棒-劇場版2-警視庁占拠!特命係の一番長い夜」が19.1%、9月2日の「よゐこの無人島生活 真夏に再び3時間SP」が18.3%、そして12月27日の「いきなり!黄金伝説。東京の島でサバイバル大賞 6時間SP」が17.1%と期待の特番が軒並み高視聴率を記録した。
連続ドラマでは、10月クールの木曜ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」が、最終回で民放の年間トップとなる24.4%を獲得するなど、平均19.1%と驚異的な数字をマーク。また、同クールの金曜ナイトドラマ「匿名探偵」が深夜帯(夜11時15分~)としては大健闘の平均10.5%、7月クールの木曜9時枠「遺留捜査」は12.4%、1月クールの水曜9時枠「相棒season10」が平均16.7%(最高20.5%)、“新相棒”甲斐享が加入した10月クールの「相棒season11」が平均16.9%(最高19.9%)と好調をキープ。一方、スペシャルドラマは2月19日の「必殺仕事人2012」の15.7%を皮切りに、3月17日の観月ありさ主演「濃姫」が14.5%、5月19日の椎名桔平主演「灰色の虹」が15.6%、12月15日放送の田村正和主演「十万分の一の偶然」が18.2%、12月22日の米倉涼子主演「熱い空気」が18.6%。毎週土曜夜9時枠で放送中の「土曜ワイド劇場」は、12月8日までで平均13.6%という安定した数字を記録し、“2時間ドラマのテレ朝”健在を示した。
また、なんといってもテレビ朝日の大躍進の原動力の一つはフィギュアスケートやワールドカップアジア最終予選などスポーツ中継だろう。4月5日の「サッカー・キリンチャレンジカップ2012 なでしこジャパン×ブラジル女子代表」が17.5%、4月21日の「世界フィギュア国別対抗戦2012 女子フリー」が16.2%、12月8日の「グランプリファイナル」が23.2%、そして独占中継権を持つ「2014FIFAワールドカップ・アジア最終予選中継」は、6月3日の「日本×オマーン」が31.1%、6月8日の「日本×ヨルダン」が31.6%、6月12日の「オーストラリア×日本」が35.1%、9月11日の「日本×イラク」が28.9%、11月14日の「オマーン×日本」が30.0%という高視聴率をマークした。(数字は全てビデオリサーチ調べ、関東地区)
'13年は、1月19日(土)にテレビ朝日開局55周年記念作品のドラマスペシャル「野良犬」を、2月2日(土)、3日(日)には「2夜連続ドラマスペシャル 最も遠い銀河」などの大型ドラマ、3月には「ワールドベースボールクラシック」、4月に「世界フィギュア国別対抗戦2013」、そして夏にはスペイン・バルセロナで開催される「第15回世界水泳選手権」の中継が控えている。'12年はプライム1位、全日2位、ゴールデンも2位になるなど絶好調の同局が、これらの布陣で史上初の年間視聴率3冠を獲得することができるのか、ことしもテレビ朝日から目が離せない。