T.M.Revolution西川貴教 セルフカバーに挑む理由

2013/02/22 14:00 配信

音楽

約7年ぶりのセルフカバーアルバムをリリースするT.M.Revolution。布袋寅泰、May.J、JESSE(RIZE)、the GazzettEら豪華ゲストの参加も話題

T.M.Revolutionがデビュー15周年記念のラストを飾るセルフカバーアルバム第2弾『UNDER:COVER 2』を2月27日(水)にリリースする。約7年ぶりのセルフカバーに挑んだ西川貴教に、その意義や制作エピソード、さらにレギュラー出演中の「新堂本兄弟」(フジテレビ系)について聞いた。

――過去の曲を新たなアレンジでレコーディングするに当たって、今回、特に難しかった曲を教えてください。

「『vestige−ヴェスティージ−』ですかね…。今回、1曲はオーケストラアレンジでやりたいなと思っていて、誰にアレンジをお願いするか考えていく中で出たのが松谷(卓)くん(※テレビ朝日系「大改造!!劇的ビフォーアフター」の音楽制作などで知られるピアニスト)。お願いしたら快く受けてくださって。当初はコーラスなども入れようと考えていたんですが、1度通して歌ってみた時に、これは歌1本だけでいかないと意味がないなと。それから、歌を1度録(と)り終え、2度録り終え…結構ヘトヘトになって。結果的にトータル4回ぐらいしか歌えなかったです」

――“4回”は少ない方なんですか?

「1テイク2テイクで終わる時もありますけど、通常はもっと歌います。自分的に“もっといけるんじゃないか”と感じるので。メインの歌以外にハモりの部分とかもあるので、あまり喉を無理させないように気を付けながら、1日2曲くらいベストのテイクを録っていく感じです。でも、この曲は集中力が必要で、“楽器と一緒に歌を積んでいく”っていう作業だったので、1音聴き逃すと、あっという間に世界観が崩れてしまう。いつもは何度歌ってもヘトヘトにならないのに、この曲は4度歌ったらもうヘトヘトになってしまって…しんどかったです(笑)」

――トータルで6分以上あるので、集中力を維持するのも大変でしょうね。

「歌ってないところも“お休み”じゃない感覚。1発目の弦(の音)が入った瞬間から、演奏者と同じタイミングで息・呼吸を合わせていく感じでした」

――松谷さんとご一緒していかがでしたか?

松谷くんは、普段は自分でピアノを弾く、インストゥルメンタル中心なので、自分のオケに歌が入るっていうことが初めてで、すごく新鮮だったみたいです。レコーディングの歌録りの時、わざわざ来なくてもいいよと言ったんですけど、『どうしても歌録りが見たい』って、最初から見に来てくれました。実は僕、基本的に歌録り(の姿)を見せたりしないんです。集中しているときに周りにたくさん人がいると、意識がそがれてしまうので。今回は松谷くんがどうしても見たいということだったので特別に(笑)。ヘトヘトにはなりましたけど、自分が今、どれぐらいできるのか、歌一本でどこまで、どう見せられるか? この曲は、そういうことを確認するバロメーターになっている気がします」

――個性豊かなアーティストの方々によるアレンジは聴き応え十分ですが、一方で、オリジナルバージョンに思い入れがあるファンの方からの反響はどう受け止めていますか?

「セルフカバーなんて…という方がいることも僕は分かっていなきゃいけないと思っています。ライブでのアレンジも含めて、僕にとって新たなアレンジで聴いてもらう趣旨は“今の自分を見せたい”ということではないんです。15年の間には曲数も増えてきて、例えば新しいアルバムを抱えてのツアーなら、アルバムの曲を中心にメニューに組み込むことになる。そうなると、既存の曲をメニューの中に入れ込むのが難しくなってくるんですよね。そういうことを繰り返していくと、そのツアー以降、触って(歌って)あげられない曲ってたくさんあって…。なので、これは最近ライブでやっていないあの曲にスポットライトが当たる機会になってるんだって前向きに捉えてもらえたらうれしいです」

――そういう思いもあったんですね。では、最後に、「新堂本兄弟」について、思いやエピソードを教えてください。

「レギュラーになってもうすぐ2年になりますが、部活的な感覚があります。課題があって、それに全員で取り組んで…収録の最後には吉田健さんが「頑張った!」って言ってくれて、みんなで「お疲れさま!(拍手)」みたいな。その後、ツアーがある人はツアーに、レコーディングがある人はレコーディングに、ってそれぞれの仕事に戻って、また集まって…っていう部活してる感じが面白い。トークの部分も、高見沢(俊彦)さんのような大先輩からたかみな(高橋みなみ)まで、家族的な雰囲気で毎回収録できています。だから、ゲストの方がいろんなことを話してくれる空気ができているんじゃないかな。先日(2月10日放送)のTRFの皆さんがゲストの回も面白かったです。めちゃくちゃマイペースな(DJ)KOOさんに、僕らは「KOOさん! ちゃんと人の話聞いてくださいよ!!」ってツッコんでるのに、TRFメンバーの皆さんは慣れているのか、何事もなかったかのように動じなくて(笑)。その温度差がすごく楽しかったです」