涙腺を刺激しまくり! 徳光和夫が嗚咽した! クリント・イーストウッド監督作「インビクタス/負けざる者たち」

2013/04/26 18:00 配信

映画

この日、クリント・イーストウッドの「インビクタス/負けざる者たち」について熱く語った小堺一機、徳光和夫

CS映画専門チャンネル・ムービープラスで、毎週土曜日の夜8時55分から放送されている「プレミア・ナビ」に徳光和夫のゲスト出演が決定。同番組はハリウッド大作や世界のヒット作を放送する直前に、その映画の見どころなどを紹介する情報番組。ナビゲーターは、自他共に認める映画好きの小堺一機が務めている。徳光がゲスト出演する5月18日(土)の回では、クリント・イーストウッド監督作の「インビクタス/負けざる者たち」を紹介する。

同作品の舞台は、アパルトヘイト撤廃後、人種対立と経済格差が解消されない南アフリカ。黒人初の大統領となったネルソン・マンデラが、黒人と白人の和解のチャンスとして見いだしたラグビー・ワールドカップをめぐり、感動のヒューマン・ドラマが繰り広げられる。

今回は、その映画の魅力や、クリント・イーストウッド監督への思いについて徳光和夫に聞いた。

徳光さんにとってクリント・イーストウッドとはどのような存在ですか?

――映画を観るたびに、「クリント・イーストウッドに会ってみたいな」と思います。80歳を超えてもすごくいい役者であると同時に、監督として物事に取り組んでいる姿勢も素晴らしく、ただただ頭が下がりますね。さっき小堺さんから、「イーストウッドは監督にもかかわらず、撮影所で食事のデリバリーがあると自分でお皿を持って並んでいる」という話を聞いて、映画撮影において自分は組織の中のワンピースでしかないということを常に意識し、それが行動に自然と表れているんだなと、彼の奥深さやすごさを感じました。そういうイーストウッドの平等感に好感を持ちましたし、彼の意識のぶれのなさは日本の侍や武士道に通じるものがあるんじゃないかと思っています。

若いころのクリント・イーストウッドをどのようにご覧になっていましたか?

――若いころは脇役であっても存在感が際立っていました。すごく印象に残る俳優でしたよ。B級映画とか娯楽映画にもたくさん出演していましたし。脇役だったとしても、どこかしらに深みのある表情を見せていました。ゲイリー・クーパーやグレゴリー・ペックなどと比べると決して美形ではないですが、思慮深い顔をしているっていうか…。“頼まれると嫌と言えない”、そういう人柄の良さみたいなのも感じていましたね。

今回ムービープラスで放送される「インビクタス/負けざる者たち」についてはいかがでしたか?

――私は泣き虫なんですが(笑)、一人で鑑賞しながら嗚咽(おえつ)は出るし、目がかすんで画面が見えなくなるほど泣きました。この映画は、ラグビーというスポーツを通して、黒人と白人が和解していくというお話です。ラグビーはヒーローがいないスポーツです。一人が強くても駄目なんです。例えば、仲間にいいパスをしなければならない。みんなで作り上げていくスポーツだからこそ、そこからチームワークが生まれるわけです。そして、それを見ている観客も同じように、このスポーツを通してお互いに自然に歩み寄るようになるのです。このことを見抜いたネルソン・マンデラのすごさを感じましたね。また、マンデラを演じたモーガン・フリーマンは、息遣いや話し方など、まるで本人が乗り移ったんじゃないかと思うほどそっくりでした。それから、もし他の監督が撮影していたら、全然違う映画になっていたと思います。きっと、これほどまでに史実を明確に伝えられなかったのではないでしょうか。

この映画で描かれているネルソン・マンデラとはどのような人物だと思いますか?

――「私が我が運命の支配者 我が魂の指揮官」という名ぜりふがありますね。これは何かを超越した人間の言葉だと思います。「自分が自分の運命の支配者である」という、いわば悟りですね。彼は非常に長い投獄生活を経て、南アフリカを変えるために、リーダーとして、76歳で帰ってくるわけですが、投獄生活がなければ、これほどまでの人物にはならなかったんじゃないかなと思いました。普通なら、憎んでも憎みきれないという感情が先行するのに、国中の人たちの意識を変えようと試みたわけですから、本当にすごいと思います。とにかく、この映画はいろんな人に観てもらいたいですね。中間管理職の方にも、学校で学生さんたちに観てもらうのもいいかもしれない。それ以外には、政治家の皆さんにも観てもらいたいなぁ、と思いました(笑)。