小池真理子の直木賞受賞作が石原さとみ主演でドラマ化

2013/05/13 12:49 配信

ドラマ

1995年に出版されてから18年、小池真理子著「恋」が石原さとみ(写真中)主演で初めてドラマ化されることに(C)TBS

TBSではこの秋に、スペシャルドラマ「恋」を放送することが決定した。原作は、小池真理子の最高傑作と評される第114回直木賞受賞作「恋」。タイトルから多くの人は一組の男女の純愛を描いた恋愛文学を想像するかもしれないが、この作品はそんな読み手の想像を見事に裏切り、予想のできない結末に向かって静かに、やがて激しく疾走する。時代が多量のエネルギーを持っていた1970年代初頭の日本。高度経済成長と安保闘争に沸く東京と、閑静な避暑地・軽井沢を舞台に描かれる友情、純愛、不義、三角関係、そして殺人・・・。そのエキセントリックさにもかかわらず、震えるような切なさと救いを感じさせる重厚な読後感は、まさに直木賞受賞作の名に恥じない。現代文学を代表する名作とも言えるだろう。

多くの人に愛されたこの作品がこの秋、ついに映像化。石原さとみが悲劇の渦に巻き込まれていく主人公・矢野布美子を演じる。脚本・監督には、スペシャルドラマ「遺恨あり 明治十三年 最後の仇討」で第37回放送文化基金賞のテレビドラマ番組部門で本賞を受賞した源孝志。映画「東京タワー」('04年)、「大停電の夜に」('05年)なども手掛け、独特の美しい映像表現に定評がある。

物語は1972(昭和47)年2月28日から始まる。軽井沢で起こった連合赤軍浅間山荘事件に日本中が釘付けになっていたあの日、事件現場からさほど離れていない静かな別荘地で、もうひとつの殺人事件が起こっていた。加害者は22歳の女子大生、矢野布美子(石原)。被害者は、地元の電機屋のアルバイト青年と大学の助教授・片瀬信太郎(井浦新)。青年は射殺され、助教授は下半身不随になる重傷を負った。事件現場には助教授の妻・雛子(田中麗奈)も居合わせたが、何も語らない。実はごく普通の女子大生だった布美子は、英文学翻訳のアルバイトで出会った大学助教授の片瀬と妻・雛子と倒錯した“恋”に落ちていた。やがて、その恋はひとりの青年・大久保勝也(斎藤工)の出現によって急速に崩壊していく。事件の動機を一切語ることなく全ての罪を受け入れた布美子。彼女には、何よりも守るべき“ある秘密”があったのだ。事件は、痴情のもつれが原因の衝動殺人として処理され、やがて人々の記憶から消えていった。しかし、事件から40年以上経った2013年、偶然この事件に興味を持ったルポライター鳥飼三津彦(渡部篤郎)は、布美子を捜し出し事件の真相を探ろうとする。

主演の石原は「素晴らしい原作が、信頼する源監督の脚本・演出でドラマ化され、それに出演できることを幸せに思います。撮影初日、(井浦)新さんと(田中)麗奈さん演じる夫婦を初めて見たとき、二人を心から愛せると確信しました。難しい役柄ですが、布美子という女性と真摯に向き合っていきたいと思います。不思議な愛の形と世界観、そして衝撃的な結末を楽しみにしていてください」とコメント。また、原作・小池真理子氏は「『恋』は私の作家人生の転機となったとても大切な作品であり、数え切れないほどの映像化のオファーがありました。しかし、読んでくれた皆さんの一人一人の心の中にそれぞれのイメージがあると思い、映像化に躊躇うこともありましたが、この脚本ならば託せると思いました。石原さとみさんが演じる布美子をとても楽しみにしていますし、原作を読んで頂いた多くの読者の方々はもちろん、現代の若い皆さんにも観てもらえればうれしく思います」と期待を寄せている。

 

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