「八重の桜」もう一人のハンサムウーマン・黒木メイサ“決めたことはやり抜く!”

2013/06/07 20:01 配信

芸能一般

出演シーンがないときも、薙刀(なぎなた)の練習をしていたという黒木メイサ

NHK総合で放送中の大河ドラマ「八重の桜」で、八重(綾瀬はるか)のライバル・中野竹子を演じる黒木メイサがインタビューに応じ、役柄への思いなどを語った。黒木が演じる中野竹子は、男性に交ざり勇ましく奮闘する女性。会津藩の江戸詰勘定役・中野平内の長女として江戸に生まれた竹子は、文武両道で容姿端麗の女性として会津藩内で知れ渡っていた。薙刀(なぎなた)の名手で、会津戦争では、照姫を守るべく「娘子隊(じょうしたい)」を結成し奮闘するも、命を落とす。

黒木は、自身の演じる竹子について「戦争に行かなければならない妹をかわいそうに思い、母と共に妹に手を掛けようとした心情を考えると苦しくなった」と語り、その一方で女性としての強さを感じたという。「あの時代に“女性はこうあるべき”という考えを破っていった人たちがいたからこそ、今の世の中があるのだと思います。意志が強く、決めたことをやり抜く竹子の強さを見習いたいです。私はどこか意地になってしまうところがあるので、いろんなことを経験し、自分の中で揺るがないものを身に付けていきたいです」と語った。戦争の時代を生きた竹子の人生を「幸せだったと信じたい。きっとつらかったけれど、より強くあらねばならない、逃げ出すわけにはいかないという思いがあったと思います。私は自分の身に降り掛かってきたことは人生で経験すべきことだと思うので、毎日後悔のないように過ごしています。竹子も目の前のことだけを見て走っていたはずなので、そこに悔いはなかったと思いたいです」と自身と竹子を照らし合わせた。出産を経て撮影に入ったことにも触れ、「私は15歳から仕事を始め、いつも周りには大人がいたし、今まで自分の親にたくさん守ってもらってきました。竹子が妹を思うあまり手に掛けようとしたことについて考えたり、戦争に向かう少年兵を見守るお母さんに目がいったり、自分に守りたい物ができたことで物の見方が変わり、人生の中ですごく大きな変化がありました」と話した。

また同局で放送した旅番組「八重の桜ツアー“ただいま、東北”」で福島を訪れたことについてふれ、「撮影に入る前にいろんな資料を集め、竹子について調べましたが、実際にその地の土を踏んで歩くと感じるものが違いました。見る物全てが竹子につながり、たくさんの刺激を受けることができました。地元の方々も『会津と言えば竹子』と言ってくださり、楽しみにしているという声をたくさん聞いたので、良いプレッシャーをいただきました」と役への思いがさらに深まったと語った。先に福島を訪れていた綾瀬も「『福島と言えば竹子』って言われちゃってどうしよう」と笑っていたと明かし、地元・福島での八重と並ぶ竹子への期待を感じていた。

八重を演じる綾瀬については「会津弁がすごくかわいい。綾瀬さんが持つ人柄と八重の持つ魅力が詰まってあのかわいさがでるんだと思います。江戸育ちの竹子は会津弁ではないので、ついまねしたくなります。男性が前に立つ時代に、自分たちが戦う意志や手にする道具は違っても、どこかで八重と竹子の通じる部分を見ていただけたら」と八重との良きライバル関係について語った。

最後に黒木は「今この時代があるのは、八重をはじめいろんな人がいたことなど、すべてがつながっているからだと思います。戦争物(のドラマや映画)を見ていても、なかなかスクリーンの中のお話としてしか見られなかったりするけれど、実は他人事ではないと思うんです。私は小さいころから祖母に沖縄の戦争の話を聞く機会があったけれど、今の子供たちはどんどんその機会が減っています。この作品を通して何を感じてほしいということではなく、今の子供たちや福島の方々はどう感じてくれるのかということを意識しながらやっているので、なるべく多くの人に見ていただけたらと思っています!」と視聴者へメッセージを送った。