田舎を捨てた役どころに、主演・渡辺いっけい「自分と重なり過ぎてイタかった」

2013/06/11 11:49 配信

ドラマ

「狸な家族」の出演陣。(写真左から)荒川良々、坂井真紀、渡辺いっけい、冨士眞奈美、清水くるみ

NHK BSプレミアムで6月26日(水)に放送される、徳島発地域ドラマ「狸な家族」(夜10:00-11:00)の完成試写会が10日に行われ、出演する渡辺いっけい、坂井真紀、荒川良々、清水くるみ、冨士眞奈美が登場した。

同ドラマは、徳島県三好市山城町を舞台に、悩みや弱さを抱えた家族が絆を取り戻していく姿をユーモラスに描く。15年前に家族を故郷に残し、東京で役者になった中島新作(渡辺いっけい)は、ある日テレビ番組のロケで突然、家族の元へ帰ることになる。カメラの前で良き父親を演じようとする新作に家族はあきれるが、やがて、家族への思いを断ち切れない新作の心情を知る。

役者を目指すために田舎から出て行った主人公・新作を演じた渡辺は「自分自身とあまりにも重なりすぎて、イタかったです。役者は自分と離れた役を演じる方が楽しめると思います。だから今回は演じるのがしんどかったです。自分は地元とちゃんと関わっているのかなと突きつけられるような思いになりました。せりふを言っていても芝居じゃなくなる瞬間があった気がして…そういう顔がカメラに映っていると思います」と撮影での苦労を明かした。

また、新作の妻・初子役の坂井は「現地の役者の方やエキストラさんがたくさん参加してくれて、力をいただいきました。そういう雰囲気が画面に出ていると思います。登場人物たちがチャーミングなので楽しんでいただきたいです」と作品の見どころを語り、「旦那さんが家を出て行ってしまうのに、なぜ彼女はココ(新作の地元)にとどまっているのか、奥底の気持ちはどうなんだろうと台本を読んで思いました。でも実際に現場に行って徳島の人々と触れ合うと、彼女はココが好きなんだな、ココにいたいんだなと実感が湧きました」と感慨深げ。一方、娘・真美役の清水は「地元の方も共演者のみなさんもすごく優しかったので、撮影での苦労はありません。オフの日は良々さんと川下りをして、撮影以外にも楽しい思い出ができました」と満足した表情を見せた。

最後に渡辺は「ホームメードなドラマ作りでした。監督さんがいろんなアイデアを出してくれて、出演者みんなで『ああしよう、こうしよう』とディスカッションして。地方で作った良さが出ていると思います」と本作の魅力を語った。