大賞は高校生2人の物語・「第13回テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞」が決定

2013/06/19 00:41 配信

芸能一般

高校生2人が主人公の物語「化石の微笑み」が大賞に!

“フレッシュで有能な脚本家の発掘”と“制作現場の活性化と視聴率アップ”を目指し、'00年から始まった「テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞」。先ごろ第13回受賞者が決定し、テレビ朝日局内にて決定発表記者会見および授賞式が行なわれた。

「シナリオ大賞」は、受賞者が活躍の場を広げていることでも注目されており、第2回大賞受賞者の古沢良太氏は、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」('05年)で日本アカデミー賞最優秀脚本賞、映画「探偵はBARにいる」('11年)で日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞するなどの目覚しい活躍をみせている。

ことしは応募総数1495篇の中から、大賞に吉田光洋氏の「化石の微笑み」が決定。優秀賞に大西雄仁氏の「このバス、あの世行き」と、永田健氏の「17歳には難しい」が選出された。

大賞を受賞した吉田氏は、「こんな大きな賞をいただき、とても光栄です。審査員の先生方のお言葉をしっかりと胸に刻み込んで、勉強会ではもまれることを楽しみに頑張って、多くの方に喜んでいただける作品をこれからも作り続けたいと思います。私の作品は、高校生2人が主人公。困難を克服する若い男女を描きたかったというのが、この作品に込めた最も大きな思いです。先日、プロデューサーの方とお話しているとき、“キミは古典に弱い”と指摘されましたので、賞金で名作古典のDVDを集めて勉強しようと思います」と、今後の意気込みとともに、受賞の喜びを語った。

大学3年生の大西氏は「まだ学生なのですが、寝ても覚めても基本的に物語を考えているか、趣味の人間関係について考えているかという感じの人生を送っていまして、ストーリーを考えるのが自分の人生の一部になっています。今回の作品の中にはパセリという死神の女の子が出てくるのですが、もし続編を書く機会があればセロリという相棒を出したい。そういう機会を自分から作ることができるように精いっぱい精進していきたいと思います」と作品づくりへの思いを語った。

永田氏は「優秀賞というのは微妙な賞でして、“やった!”と喜ぶものなのか、“残念!”と思うのか、非常に難しいところだと思います。私の場合、受賞のお知らせをいただいたときは“やった!”でしたが、自分の作品を読み返してみたら、だんだん“残念”の方がこみ上げてきました。このシナリオ大賞ではドラマ化されるのが最優秀賞作だけなので、登場人物たちが動くところを見たかったなあと思うと本当に残念な気持ちです。この作品は、テーマやストーリーというより自分にとって一番生き生き動かせるキャラクターを考えていて、動かしていたら結果的に出来上がりました。審査員の先生と同い年、もしくは私の方が年上…という、この歳になってシナリオの勉強を始めてどうなるのだろうかと自分でも思いますが、この悔しさをバネに書き続けていきたいと思います。賞金の使い道は特に考えていませんでしたが、おそらく妻と旅行でもするのかな…と考えております(笑)」と悔しさをにじませながらも、今後の抱負を語った。なお、大賞を受賞した吉田氏の「化石の微笑み」は今後、テレビ朝日でドラマ化し、放送される予定。