NHKが9月2日に放送通信連携サービス・Hybridcastを開始

2013/08/22 00:26 配信

芸能一般

Hybridcastのホーム画面

NHKは8月21日、東京・渋谷の放送センターでプレス説明会を開催し、9月2日(月)朝11:00より総合テレビでHybridcastを使ったサービスを開始することを発表した。Hybridcastとは、放送とインターネットの情報を連携させるためのプラットフォーム。放送波と通信波を都度切り替えるのではなく、放送画面上で放送局が出す通信サービスを利用できるのが従来のスマートテレビとの違いだ。利用にはHybridcast対応テレビ(現在は東芝の一部の機種のみ)が必要なほか、テレビをインターネット回線に接続することが必要。これらの準備が整えば、リモコンのdボタンを押すだけで、起動する仕組みになっている(データ放送が見たい場合は遷移ボタンがある)。

9月2日(月)から始まるのは第1弾で、ニュースや気象情報といったデータ放送の延長線上のコンテンツが中心。データ放送は帯域に限りがあるため、例えば現状、連続テレビ小説と大河ドラマのコンテンツを一度に出せていない状況だが、Hybridcastでは通信波と連携することにより、情報の質量共によりリッチなコンテンツを発信することができる。また、「旬美暦」という、歳時記に画像と音楽が付いた日替わりのコンテンツも投入。これは、HTML5を使用するため、データ放送よりもより繊細な色調を再現することができ、リアルな季節感を表現することができるHybridcastの特性を生かしたコンテンツといえる。

今秋以降は番組に連動したコンテンツを投入する予定のほか、タブレットやスマートフォンなど携帯端末との連動コンテンツも検討。また、NHKオンデマンド(NOD)との連携を模索中で、NODがNHKの本体予算と別会計という法的条件や、認証・課金処理といった技術的課題をクリアできれば実現させたいとしている。そのため、番組表はサービススタート時から過去30日分まで振り返ることができるようになっており、NODが搭載された際には、過去の番組表の該当番組にNODマークを付ける予定だ。

NHKが開発したHybridcastだが、普及するためには民放の参入や対応機種の出荷増が必要になる。説明会に出席したメディア企画室選任局長の加藤久和氏は、「受信機が増えればサービスも充実してくる、サービスが充実すれば受信機も増えるということになると思います。今後2~3年で地デジ化から10年を超えますので、そろそろ買い替え需要のニーズも高まり、数百万の視聴者の方が(この時点で)ご利用いただけることを期待値としては持っております」と見通しを語った。