NHK総合で放送中のドラマ10「ガラスの家」。一人の女性をめぐり、ぶつかり合う親子の愛憎劇で、財務省主計局長を勤める父・澁澤一成(藤本隆宏)と同じ財務省に勤め、父の再婚相手・玉木黎(井川遥)に次第に引かれていく澁澤仁志を演じる斎藤工にインタビューを行った。
――仁志を演じての感想をお聞かせください。
以前から財務省に勤めている方たちが、どのような環境の中で職務を行っているのか関心は持っていたのですが、実際、撮影前に何度か役所で働いている方たちと話しをさせていただき、これまで持っていたイメージが良い意味で壊れました。そこで、あまり官僚のようなしゃべり方とか見た目で見せるのではなく、お会いした方たちのように内面が豊かな人間を演じられれば良いなと思いました。
――お会いした方たちのどういった部分がイメージと違っていましたか?
いわゆる財務省の“官僚”みたいな人をイメージすると思いますが、僕らとかけ離れた何かっていうのは、いい意味で感じなかったですね。ただ心の中で、国を動かすプロジェクトに携っていることへの誇りは確実に感じることができましたし、それ以上に人間的な魅力を感じさせてくれる方たちでした。
――父を超えようとする、仁志の心情をどう思われましたか?
父から見たら、(仁志は)革命家なんですよ。手塩にかけて育てた息子が思想も違えば、自分の嫁と…という、良いことがないというか。まさに“獅子身中の虫”がいるみたいな。だからこそ余計に脅威なんですよね。きれいにというよりは生々しい部分がにじみ出たらいいいのにとは思っています。
――斎藤さんは物語のような“禁じられた愛”や“運命的な出会い”に引かれてしまいますか?
自分は映画を見て育っているせいか、どこかしらそういうものを日常に探したりしますね。だけど、意識がいくことはあると思うんですが、さすがに身内で事を起こそうとは絶対に思わないです。でも、興味深く台本を拝見させていただいということは、自分の中に恋愛に限らずタブーへの興味があると思うんですよ。それはたぶん大石先生が(台本で)描いている本質なんじゃないかなと思います。
最後に斎藤は、「幼少期に母を失っている部分が(仁志にとって)非常に大きく、ドーナツのように空いてしまった澁澤家の母を、これまで男3人で埋めてきたんですけど、そこに突如現れた女性によって澁澤家の歯車が、良くも悪くも壊れていきます。狭い範囲ではありますが深い人間ドラマなので、見てくださった方の日常に反映していただけるドラマになっていると思います」とアピールした。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)