現在WOWOWで放送中のスペインサッカー「リーガ・エスパニョーラ13-14シーズン」。そのエンディングで流れる「WOWOWサッカーイメージソング」に、ポップスとオペラの歌唱法を融合させた独自のスタイルで活動を続ける藤澤ノリマサの「Hasta(アスタ)La(ラ)Victoria(ビクトーリア)~『アイーダ』より~」が使用されている。サッカーでは、なじみのあるベルディ作曲の「アイーダ」をモチーフにしたポップオペラ作品となっており、さらに番組を盛り上げている。
その藤澤ノリマサがことしでデビュー5周年を迎え、シングル全12作を網羅したベストアルバム『POP OPERA THEATER~5th Anniversary Best~』を10月23日(水)に発売する。また、ベストアルバムを引っ提げたツアーが11月より開始。そんな藤澤にインタビューを敢行した。
――今回「WOWOWサッカーイメージソング」に決定した「Hasta(アスタ)La(ラ)Victoria(ビクトーリア)~『アイーダ』より~」についてお聞かせください。
サッカーのイメージソングになったらいいなと思って書いたわけではなくて、アッパーな曲を最近書いてなくて、みんなが盛り上がる曲を書きたいなとずっと思っていてできあがった曲なんです。実は、最初は「アイーダ」ではなくて、「ハレルヤ」がモチーフだったんです。けれどあまりにも短過ぎて、甲子園の選手入場曲みたいな感じになっちゃって(笑)。歌い上げるのも難しいなぁと思っていました。先にAメロ、Bメロを作っていたので、そこでモチーフを変えてみたんです。
――先に曲作りから始めますか? それともモチーフになる曲を先に決めたからですか?
ケースバイケースではあるんですが、簡単にはまるものではないんですよね。何百年前の音楽と、今作った音楽がパッとはまるものではなくて、どちらかというとモチーフを先につくってから、彷彿させるものを横付けでつけていくことのほうが多いです。今回のように、「ハレルヤ」のために作った曲なのに、「アイーダ」がはまったってことは、ミラクルが起きましたね(笑)。
――そんなミラクルが起こった楽曲も詰まったベストアルバム発売が控えていますが、デビュー5周年を迎えられて、率直なお気持ちを教えてください。
あっという間でした。駆け足だったので、すごく濃い5年だったなと思います。25歳でデビューして、ことし30歳となって、いろんな意味で節目になりました。そして、いつか自分でひとつのシアターを造るのが夢なんです。アルバムタイトルの『POP OPERA THEATER』にもそういう意味が込こめられているんです。ライブハウスでロックを聴く、クラシックハウスでクラシックを聴く、そういった決まりを一回取っ払ってしまって、「クラシックでもポップスでもいいじゃん!」という気持ちがこもっています。自分専用のコロシアムがあって、そこに似合う楽曲たちを集めてそこでポップオペラを歌うっていうのが夢なんです。そして、このアルバムにはそういう曲たちが並んで、ベストっていう足跡でもあり、これからの自分の新しい姿でもあるっていう「シアター」になったと思います。
――特に印象に残っている楽曲はありますか?
どの曲にも思い出はたくさんあるんですけど、やっぱりデビュー曲の「ダッタン人の踊り」ですね。どこに行っても「ダッタン人」って言われたんです(笑)。この曲はライブでもはずしたことがないし、これからも歌っていかなくてはいけないなと思います。あと、初めてオリジナル曲を出したことがあるんです。「愛の奇跡」という曲なんですが、これもすごく人気で、ファンの方からも「ずっと歌ってほしい!」と毎回アンケートで書いていただきます。新しい切り口の曲で、ポップオペラも歌いながら、オリジナルの楽曲も増やしていきたいなって思っていたところ、その先駆けになったのが「愛の奇跡」なんです。
――藤澤さんのポップオペラとオリジナルの楽曲ではまったく印象が違いますが、意識されていることなどはありますか?
声の出し方や演出が違います。けれども、ヨーロピアンなものをカジュアルスタイルで歌うこともやりながら、この5年で声の幅も変わってきたので、本物のポップスも歌ってみたいっていう気持ちがあります。ポップオペラもですが、ボーカリストとしても変化していかなければいけないなと思います。以前は、声も高音で張っていたんですが、たまには変化球のように、違う歌い方もしてみたい。昔は半分ポップで、半分オペラでって、悪く言ってしまえば中途半端と言われるのがコンプレックスでした。でも音楽として美しいものは美しい、いいものはいい、一つの公式にとらわれないような音楽があればいいんじゃないかと思います。聴いてくれる人がいる限り、自分の意志を貫いていきたい。
――タイアップ曲もたくさんあるので、ファンの方々も楽しみにしているアルバムですね。
テレビアニメ「新テニスの王子様」(通称・テニプリ)のオープニングテーマ曲「未来の僕らへ」では新しいファンが増えました。高校生が、声をかけてくれたりします。9月21日に日本武道館で行われた「テニプリフェスタ2013」で歌わせていただいたときも、すごい歓声でアイドルになった気分でした(笑)。その後にインストアイベントで「未来の僕らへ」を歌わない時に限って、テニプリファンの方に「何でやらないんですか?」と言われることもありました。
――これから挑戦してみたいことはありますか?
去年も同じことを言っているんですが(笑)、ギターを始める。ギターで作曲するとコード感やコード進行がピアノで作曲するよりもワイルドになるということと、持ち運びが便利(笑)。その2つがあるので、始めてみようかなと思っています。あと、スタンダードナンバーをカバーしてみたいなと思います。最近冬にコンサートをやるんですけど、季節感をつけていきたいなっていうのがあるので、“冬といえば藤澤ノリマサ”という季節感をつけていきたいですね。クリスマスソングもつくりたいです。
――最後にファンに方に向けてメッセージをお願いします。
初めて聴く方には、この1枚があれば藤澤ノリマサの5年間が分かるので、とにかくこのベストアルバムを聴いてほしいなと思います。そしてこれを聴いたらしびれること間違いなしなので、ぜひコンサートにも来ていただきたいです。CDでは表現できないパフォーマンスを感じてほしいと思います。お待ちしております。
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