家族の中に潜む小さな秘密やウソが、騒動を巻き起こしていくホームコメディー「家族の裏事情」(フジテレビ系)で、沢村一樹が定食店を営む石和泰彦を演じている。妻・縁(ゆかり)役の財前直見とは4度目の共演でW主演となることも踏まえ、本作への意気込みや魅力などを、余すところなく語ってもらった。
――まず、台本を読んだ感想を教えていただけますか?
夫婦役は何回もやっていますが、こういった形でしっかり家族模様を見せていくドラマは初めてかもしれません。僕にとっては、今までやっていたようでやっていない役ですね。相手が直見さんということで、当然尻に敷かれているんだろうなということ前提で脚本を読んでみると…あ、やっぱりな、と(笑)。ただ読み終わった時、この家族はそんなに演技を作り込まなくても普通にできるな、という印象を受けました。いつも通り直見さんの尻に敷かれている感じを画面に出せればいいんだな、と。
――石和家は平凡で平均的な日本の家族ですが、家族を演じられる方々とのコミュニケーションはいかがですか?
ちょうど撮影初日が雨だったおかげで、子供たちと、おじいちゃんを演じられる小野寺昭さんと一緒に2、3時間待ち時間ができたんです。その時に、それぞれの家族の話をしました。親や兄弟、自分の思春期の話も。ふだん現場ではなかなか話す機会がないのですが、聞いてみるとけっこう普通に生きている人間にもそれぞれ大変なドラマがあるんですよね。それを皆で赤裸々に話しているうちに、“家族の物語を作るんだ”って、思いが一つになった気がしました。
――その撮影現場で面白かったエピソードはありましたか?
撮影初日には下ネタは控えました(笑)。
――沢村さんが演じる泰彦の印象を教えてください。
泰彦が、縁の尻に敷かれながらも、どうやって自分を貫き通していくのかを演じられたらいいなと。あとは、直前まで外科医を演じる中で感じていたことですが、今回の料理人という役でも職人らしさを演じることで、大黒柱である泰彦を印象づけられるようにしました。
――今回のドラマは40代、50代をターゲットということですが…。
「あー分かるな」と共感したり、「ここは、ウチと違うな」と違和感を覚えたりと一緒に考えてもらいながら、視聴者の方々が引きつけられるようなドラマを作れたらいいなと思っています。
――今回の役についてプレッシャーを感じますか?
今回の役は素でやれている気がするし、台本と向かい合うというより、家族と会話する時のリアクションや空気感を大事にしています。泰彦は妻の尻に敷かれながらも、料理人としては一点貫いているのかな、と。僕自身は全然料理できないんですが(笑)。ついこの前まで演じていた外科医もある意味職人だと思うので、ちょっと通じるかな。泰彦にも職人らしさを出せれば、大黒柱としての軸は見えてくるかな、と思って演じています。
――ドラマの一番の見どころを教えてください。
夫婦の仲でも「今ここで、謝るタイミングだよな」と分かっていても、プライドが邪魔して謝れなかったり、一回そのタイミングを逃すと3日間くらい口がきけなくなったり、というもどかしさみたいなものがありますよね。それ自体がドラマの面白さになれば、と思っています。それぞれいろんな世代の人がそろっている家族なので、どういう人が見るか、どういう家族と一緒に見るかでも、それぞれの目線で見方が変わってくるはず。僕は、金曜8時にドラマ見ている、数少ないお父さんの目線に応えられるように頑張ります!
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