映画「晴れのち晴れ、ときどき晴れ」が11月23日より公開。
同作品は、瀬戸内の港町・牛窓を舞台に、離れていても唯一無二の存在である“親子”の絆と、血はつながらなくともいつもそばにいてくれる“地域”の絆にあふれた日本人ならではの温かさを描くハートフルストーリー。EXILEのパフォーマー・MATSUとして活躍し、俳優・松本利夫としても数々の作品に出演する松本が4年ぶりの主演を務めることでも話題を集めている。
アクションスターを目指して故郷の牛窓を飛び出した緒方定虎(松本)は、借金取りに追われ、16年ぶりに帰郷する。そんな中、自分の娘だと名乗る17歳の少女・美羽(宮崎香蓮)がやってきて…というストーリー。
今回、定虎の娘・美羽を演じた宮崎にインタビューを行い、撮影秘話や作品にかける思いを語ってもらった。
――演じる上で意識したことは?
自分の中で“強い女の子”というのをテーマに演じました。また、美羽が周りの人たちの思いやりに触れるにつれて心情が変化していくので、物語の前半と後半で彼女の表情に変化をつけようと意識して演じさせていただきました。
――辛い過去を抱えて瀬戸内にやってくるという役柄については?
お母さんが亡くなって、それだけでも辛く悲しいはずなのに、よくお父さんを捜すという行動を起こしたなと、彼女の心の強さに驚きました。深い悲しみを抑えて、強い決意を持ってお父さんに会いに来たと思うので、悲しいというよりもいろんな感情を閉じ込めて、その上に“強さ”とか“意地”を乗せて瀬戸内に来たんだと思います。だから、悲しいという感情だけではないというところを表現しようと頑張りました。
――美羽と同じような状況になったら、同じような“強さ”を持てる?
いやぁ…。もう、泣いて泣いてどん底まで落ち込むでしょうね。そこからお父さんを捜そうってなるのかなぁ…(悩)。でも、美羽のように行ったことのない家に行って「この家に住まわせてください」なんて言えないですね。だからこそ美羽はいろんな覚悟を持った女の子なんだなって思いました。
――撮影で苦労したシーンは?
物語の最後でお父さんに背中を向けて話すところなんですが、声は明るくお父さんを送り出す台詞を口にしながらも、さみしくて顔は泣いているというギャップを出すのに苦労しました。声と顔のギャップが美羽の思いやりを表している大切なシーンだと思うので、監督に何度も相談しながら作り上げました。
――お父さんである定虎の印象は?
お父さんにしては破天荒過ぎるなと思うんですが、友達だったら絶対楽しいだろうなって思います! 行動力があるし、周りの人を巻き込んでみんなをハッピーにしていく力があるので。(お父さんには向かない?)友達みたいなお父さんにもあこがれますけど、わたしとしてはもうちょっとアドバイスもしてほしいなって(笑)。美羽の方がアドバイスしているくらいだったので。
――男性としてはいかがですか?
わたしとしては「何でもいいよ」って言ってくれるような包容力のある男性がいいですね。わたしもトラちゃんみたいに振り回すタイプだと思うので、トラちゃんのような男性とだったら大変なことになっちゃう…(笑)
――そんな定虎の恋人・千里(美羽の母親)役も演じられていましたが、千里については?
純粋にかっこいいなって思います。相手のためを思って側に行かないという決断をするのはすごく大人な選択だと思いますね。まだ10代なのに自分の感情で動くのではなく、本当に相手のことを思ってこその行動が取れるというのは本当に大人! わたしもそういう人になりたいですね。
――定虎役の松本さんの印象は?
最初はどんな人か分からず怖かったんですが、自分からいっぱい話しかけに行ったら、普通に話してくださったので「あぁ、いい人なんだ!」と…(笑)。一度仲良くなってからは、どんどん仲良くなっていきました。本当に優しい方で、みんなに平等に接するし、ハートのある人で、ムードメーカー。まさにトラちゃんみたいな人でしたね。でも唯一違うところは、トラちゃんは“イジられキャラ”だけど、(松本は)みんなをイジってました。
――劇中では岡山に伝わる踊り“うらじゃ”を踊るシーンがありましたが?
フリはすぐ覚えられたんですが、けっこう力強く踊らなきゃいけなくて、そこが大変でしたね。(やっぱり松本さんは上手?)飛び抜けてました! 動きもキレッキレで、隣で踊りたくないなって本当に思いました…(苦笑)
――他の共演者の方々とのエピソードは?
休憩所が海の前にあったんですが、いつも夕日の時間になるとみんなで写真を撮ってました。出演者はみんな年齢がバラバラなんですが、本当に仲が良くて、よくみんなで夜ご飯に行ったりもしました。わたしにとって、年齢の違う人たちが仲良く一緒に行動するのがちょっと不思議な感覚で、大人の学校生活みたいで楽しかったです。作品を見て、そんなみんなの仲の良さがいろんなシーンで生かされているなって感じました。
――美羽の「家族は迷惑をかけたりかけられたりする関係」という印象的な台詞がありますが、宮崎さんの“家族に迷惑をかけたりかけられたり”したエピソードは?
この間、母が上京していたんですが、母に部屋を片付けてもらっちゃいました。せっかく夏休みで遊びに来てくれたのに家事をさせてしまって迷惑かけちゃったなと。でも一応、母が来るということで同居している兄と二人で家をけっこう片付けたつもりだったんですけどね…(苦笑)。“迷惑かけられた”エピソードは、せっかく片付けてくれたんですが、物の行方がお母さんしか分からなくなってしまったことです…(笑)
――最後に見どころをお願いします!
この映画は子供から大人までさまざまな世代の方が共感できると思います。友情や親子の絆などそれぞれの立場でリンクできる心情がたくさん描かれていると思うので、ご覧になって一つでも共感していただけることを見つけていただければと思います!
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