2月25日(火)にNHK総合で放送されるドラマ「希望の花」の試写会と会見が行われ、主演の中村蒼と作者の藤井香織氏が登場した。
本作は、脚本家の登竜門となっている「創作テレビドラマ大賞」の第37回大賞受賞作品。採用面接を落ち続けて自信を無くした就職浪人中の青年・杉浦大樹(中村)が、会社を倒産させて失意の祖母・坪内トヨ(渡辺美佐子)と同居することになる中、大樹がトヨに巻き込まれる形で家業の花屋を手伝い、やがて働く意義を見つけていくというヒューマンドラマだ。
作者の藤井氏はこのドラマに込めた思いを「人は大きな挫折から小さな日常の心配までいろんなことを繰り返しながら、前向きになれないということがあると思うのですけど、そんなときは目の前にある課題に向き合うということが、明日の希望を見いだす手段になるのではないかということを伝えたくて、このドラマを書きました。見てくださった方が、自分の可能性とか希望とかを信じてくれたらなと思います」と語った。
一方、中村はドラマの感想を「前に“何年後は何しているか”とか“何をしていたいか”ということを聞かれたことがあるんですけど、そう聞かれてもあまりピンとこないんです。でも、それは僕が一日一日を生きるのに精一杯で、何年後というのが想像できないからなんです。僕が演じた大樹は、人生の先を見て、こういう会社に入りたいとか思っているのですが、花屋の仕事を通して、本当は足元を見て目の前に置かれたものをこなしていけば、自然と明日への道が開かれていくということを学んだんです。ドラマを見ている人にそれが伝わって、一日一日を大切に生きていってくれればいいなと思いました」と、メッセージを含んだ思いを語った。
また、中村は就職活動中の大樹にちなみ、もし俳優にならなかったらどのような仕事をしているかという質問に対し「もともと家族の勧めでこの世界に入ったんですけど、最近父と話したとき『きっとおまえには会社に入って勤めることが向いていないと思ったから、オーディションを受けさせたんだ』と言ってました。でも憧れはあります。サラリーマンとして普通の会社に入って、上着を脱いだシャツ姿で、財布だけ持ってご飯食べに行くとかしてみたいって思ったりしますね(笑)」と、あまりにも具体的な憧れの姿を明かし、会場の笑いを誘った。
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