2月8日から公演される舞台「国民の映画」の初日開幕直前会見が行われ、キャストの小日向文世、段田安則、渡辺徹、吉田羊、シルビア・グラブ、新妻聖子、今井朋彦、小林隆、平岳大、秋元才加、小林勝也、風間杜夫、作・演出を手掛ける三谷幸喜が登壇した。
同作は1940年代のドイツ・ベルリンを舞台に、宣伝大臣ゲッベルズ(小日向)と映画人たちの間で繰り広げられる人間ドラマを描いた作品。'11年に公演されたものの、本公演の幕を開けた直後に東日本大地震が発生したために限られた劇場のみでの公演を余儀なくされた。あれから3年、その時に見られなかった人にも楽しんでもらいたいという思いから、今回の再演に至ったという。'12年に第19回読売演劇大賞、紀伊国屋演劇賞など数々の賞を受賞した傑作で、今回、渡辺徹(ヒトラー内閣空軍総司令官役)と秋元才加(ゲッペルズの愛人役)が新たに加わった。
初演と今回とで変更した点について、三谷は「そんなに変わっていないけど、初演を煮詰めて、さらに深く豊かな作品になった。渡辺徹さんが加わったことで、かなり雰囲気が変わった。稽古場の緊張感が無くなったのが、悔やまれてならない(笑)。(渡辺は)今はこうやって饒舌だけど、稽古場ではかなりナーバスだった。歌を歌うシーンがあるんだけど、歌いたくないっていうオーラがすごくあって…。やっとここまで元気になって良かったと思います」と笑いまじりに語った。
そんな渡辺に、三谷の演出を初めて受けた感想を聞くと「いつも見る側で楽しんでいたが、今回は出演する側でこんなに光栄なことはないなと思う。命を懸けてやろうと思う」と気合の入ったコメント。それを受けて三谷は「渡辺さん、本当に腹が立つことがあって…初参加だから、もう少し初々しい気持でやってほしかったのですが、たまにつまらないギャグを挟まれまして…。椅子に座る時、『よっこいしょういち』って言うんですよ。さすがにこの作品はドイツの話だからそれはまずいんじゃないかという話になって、そしたら『よっこいショーン・コネリー』って言うんですよ。そういう問題じゃない!(苦笑)」とダメ出し。すると、渡辺も負けじと「『ああいうのはやめて下さい』って言いながら、最後の通し稽古の時に来て、(三谷に)『よっこいショパンにして下さい』って言われて。余計な指示があって困ったもんだなと(笑)」とツッコむ場面も!
初日を直前に控えたメンバーの和やかムードから、三谷組の雰囲気の良さが感じられた。
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