新感覚特撮ドラマ「牙狼<GARO>」シリーズで人気を博した謎の魔戒騎士・涼邑零を主人公にし、その壮絶な闘いを描く新シリーズ「絶狼<ZERO>-BLACK BLOOD-」が、3月8日(土)の劇場公開に先駆けてCSチャンネル・ファミリー劇場で放送。同作品の監督を務める金田龍、主人公・涼邑零役の藤田玲、零の仲間である魔戒法師・カイン役の武子直輝、零を追いつめる敵・リング役のセイン・カミュにインタビュー。シリーズの魅力や、撮影時のエピソードを聞いた。
――同シリーズは'05年にはじまって9年、ここまで愛される理由とは?
藤田玲:他の番組ではなかなか見られない激しいアクションと、(原作・総監督を務める)雨宮慶太さんのデザインしたよろい、衣装、キャラクターの格好良さですね。
金田龍監督:話が非常にシンプルというのが一番大きいのかなと思います。あまり難しいことを言わずに、その分、強い親子の絆や、一人の青年の成長物語といった、強くて太い柱が支持されたのかなと思います。さらに今回は、演者とスーツアクターの芝居の一体化を目指しました。戦闘中のちょっとした首のかしげ方とか剣の担ぎ方とか。そうすることで、世界観の幅が広がりましたね。
武子直輝:アクションシーンがすごく格好良くて、ストーリーは大人が見ても楽しめる展開なんですよね。
セイン・カミュ:ガロとゼロは狛犬のイメージになっていて、(作品を見てから)神社に行くと今度は狛犬の見方も変わったり。日本人には親しみがあるし、他の国の人が見ても日本の良さが感じられると思います。
――涼邑零が主人公の作品を作ることになった経緯は?
金田:雨宮監督はずっとやるつもりでいたそうで、約1年前に直接「絶狼やらせてください!」って言ったら「いいんじゃない」って。
藤田:僕もずっとやる気でいましたからね(笑)。9年前からこの役をやっていますが、もっと前にこの話がきていたら、全然違う感じになっていたと思うんですよね。9年間で積み上げてきたものを今回出せたと思いますし、涼邑零自身が成長してきた部分を、他のシリーズで実体験できていたので、想像でやるよりは今できて良かったと思います。今回の役には僕自身の9年間が生かせたんじゃないかな。
金田:その間、俳優・藤田玲も同時に成長してきていたので、今が一番良いタイミングでしたね。
――今回シリーズ初参加となる武子さんは、「牙狼<GARO>」シリーズの世界をどう感じていますか?
武子:僕はとにかく“武子直輝”が抜けなくて、「自分が魔戒法師であることを認識した方がいい」と何度も指摘されたのですが、なかなかうまくいかず大変でした。でも魔戒法師の衣装を着て、メークして、「絶狼<ZERO>」の世界に入って初めて、“魔戒法師カイン”としてのストーリーが自分の中で理解できた気がします。
――注目してほしいポイントは?
武子:魔戒法師が持つ筆や番傘といった日本的なアイテムと、現代の世界観の融合や、新しいキャラクターが、どうなじんでいくのか、戦っていくのかというところです!
――過去に一度シリーズ作に出演経験のあるセイン・カミュさんは、今回の撮影はいかがでしたか?
セイン:「絶狼<ZERO>」の世界に入り込むのに、金田監督と話していく中でイメージが湧いてきました。ストーリーの順に撮影するわけではないので、(作品を通して)キャラクター性を崩さないようにするのが一番難しかったです。リングは普通の悪役とは違って、哲学的な部分もあって、言っていることはまともでもそれが道徳的にはどうなのか、そういったところも考えさせられる面白い作品になりましたね。ストーリーはシリアスでも、現場の雰囲気はすごく楽しくて、撮影もうまくいったと思います。
金田:台本の内容もスケジュールもハードでしたが、現場の空気は「これほどアットホームな現場はない」っていうくらい良い空気で、笑いが絶えない現場でした。セインさんの役柄はハードでつらい役で、今までのシリーズにはないインテリジェンスな悪役で難しかったと思いますが、舞台裏での(俳優同士の)助け合いみたいな気持ちが映像に表れている気がします。
――藤田さんは「牙狼<GARO>」の時の激しいアクションシーンも印象的でしたね。
藤田:ビルの側面で戦った時、「これはただのドラマじゃないな」と思いましたね(笑)。ビルの5階でワイヤーにつられて、相手(ガロ役の小西遼生さん)も役者なので、役者同士(アクションしながら)呼吸合わせるのも大変でした。あの時小西さんと、キャラクターとしても役者としてもバトルをした初めてのシーンで、涼邑零としても初めて負けて悔しがる、キャラクターを形成する上で重要な場面でした。撮影自体ハードでしたが、乗り越えてはじめて、やってよかったと思えました。「『牙狼<GARO>』」の洗礼を受けた感じがしましたね。
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