7月7日(月)から東京・Bunkamuraシアターコクーンにて上演する舞台「太陽2068」の製作発表が、4月23日に同所で行われ、出演者の綾野剛、成宮寛貴、前田敦子、中嶋朋子、大石継太、横田栄司、内田健司、山崎一、六平直政、伊藤蘭と劇作家の前川知大、演出の蜷川幸雄が登壇した。
同作品は、気鋭の劇作家である前川の代表作であり、第63回読売文学賞、第19回読売演劇大賞・大賞を受賞した「太陽」を蜷川のために書き直した新たな作品。バイオテロにより拡散したウイルスによって変異した、若く強い肉体を維持し、高い知能を得た反面、太陽の下では活動できない「ノクス」と呼ばれる新たな人間と、古くなってしまった普通の人間「キュリオ」が共存する二分された社会で、ある事件をきっかけにその関係が動きはじめていく…といったストーリー。主演を務める綾野は、舞台初主演にして蜷川演出初挑戦。また、前田も初舞台にして蜷川演出に挑む。
製作発表では、蜷川が「渋谷の街がどんなに清潔に、あるいは高度な科学によって作られようと、そこには一種のばい菌のようなものが必要なんです。ばい菌のように、あるいは猛毒を持った獣のように、荒れ狂い人々に毒を吹きかける。できるだけ迷惑になるような。世界はそういう混濁したものと同時に成立するんだということを忘れないで頑張りたいと思います」とあいさつした。
主演を務める綾野は「気の狂った前川さんの台本と、怪獣の蜷川幸雄さんと一緒に戦えるのは非常に楽しいので。まあ、怖くもありますが(笑)。2人にとって毒の根源になれるよう、お2人の餌になろうと思っています」と意気込みを語った。また、舞台初主演については「主演であるということに何かを気負うというのはとうに捨てたので、“主演だから”ということはありませんが、挑戦できる幅が広がるのであれば、主演ということをポジティブに使えたらと思っています。引っ張っていくというよりもおもちゃのように扱っていただければ」と告白。
舞台初挑戦となる前田は「今回、蜷川さんからお話をいただいたときには、本当にびっくりしました。とても悩ませてもらっちゃったんですが、蜷川さんにお会いしたときに『ぜひ、違う世界に連れていってほしい』と思うことができました。蜷川さん、皆さんと一緒に、自分が何を見つけられるのかすごく楽しみです」と心境を明かし、「舞台というのは皆さんとのコミュニケーションが必要なのかなと思うので、わたしはまず皆さんと仲良くなるところから。そうじゃないと、自分らしくもいられないのかなと思うので。でも、六平さんにお会いしたら(ムードメーカーで気軽に話し掛けてくれるため)少し楽になりました(笑)」とにっこり。
一方、成宮は「蜷川さんとは7年ぶりにお仕事をさせていただきます。自分の中で、すごく磨耗した部分があるとしたら、そのナイフをもうちょっと尖らせたいなという気持ちで、恐ろしい蜷川さんに立ち向かおうと思います。猛毒な自分を舞台の上で見せられればと思っております」と告白。報道陣から「蜷川演出初挑戦の綾野さんと前田さんにアドバイスは?」と聞かれると、「アドバイスなんかないですよ…(苦笑)。蜷川さんの側にあまり固い物を置かないようにスタッフに言っておきます」とリップサービスで笑いを誘いながらも「僕も自分自身、精一杯なところで蜷川さんには挑むことになると思うので、言葉ではなく皆さんと気持ちでつながれたらいいなと思っています」と話した。
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