平成27年度前期の朝ドラは能登のパティシエが主人公! 地元出身の辻口博啓氏がヒロインを指導!!

2014/04/24 20:46 配信

ドラマ

平成27年度前期の連続テレビ小説「まれ」の製作発表会に登場した制作統括の高橋練氏(左)と脚本を担当する篠崎絵里子(右)

NHK総合、NHK BSプレミアムで放送される平成27年度前期の連続テレビ小説「まれ」の制作発表記者会見が4月24日にNHK放送局で行われ、制作統括の高橋練氏と、脚本を担当する篠崎絵里子が登場した。

現在放送中の「花子とアン」、'14年9月から放送予定の「マッサン」に続いて92作品目となる本作品は、現代の石川・能登地方を舞台にヒロインの希(まれ)が、パティシエとして能登の小さなお店から周囲の人々に笑顔と夢を与え、成長していく物語。父親が都会で破産寸前となって一家で夜逃げのように能登の漁村に引っ越し、能登で一旗挙げようとして失敗する父親の姿を見た小学生の希は、夢を追って失敗ばかりする父親を反面教師に公務員となる。能登への移住者をサポートする仕事に就いた希だったが、夢を持って能登に来た人々をサポートするうちにパティシエへの夢を思い出し、家族の反対を押し切って横浜の名門洋菓子店に弟子入り。そして、心の故郷である能登に再び帰って自分のお店と家族を持つため、さまざまな試練に挑む。

まず、ヒロインの名前の由来について高橋氏は「“まれ”という名前は彼女のお父さんが“滅多にないこと、それは夢だ。人生は夢を追うべきだ。夢を追ってほしい”という思いから名付けたという設定です。なかなか今は夢を持てない時代だと言われていますが、そういう中で夢に向かって頑張る希を見て、ぜひたくさんの方に共感していただきたいなと思います」と明かした。

また、脚本に篠崎を選んだ理由について「人の心を丁寧に描き、せりふ回しもすごくすてきに書いてくれる脚本家さんだからです。もう一つ言いますと、言い方は難しいんですけど、世の中のエリートではない人たちを描くのが本当にうまい方です。なかなか人生がうまくいっていない人の愛すべき姿や魅力を、ドラマを通して存分に味わってもらいたいです」と語った。

一方、篠崎氏は「お話をいただいたときに、子供のころから親しんできた連続テレビ小説にちょっと別世界の作品というイメージがあったので、うれしくて光栄に思う一方で今も怖さを感じています。ちなみに、親戚に言ったら『やめとけばよかったのに』と(視聴率が悪かった場合の)脚本家としてのキャリアを心配されました」と笑顔で話した。

今回、石川・能登地方を舞台に選んだ理由について、高橋氏は「どこがいいのかと考えたときに、個人的に昔取材でお世話になったときのことや、今回実際に能登を訪れて風景の美しさや食べ物がとてもおいしいこと、四季折々の魅力などさまざまありますが、何よりもそこに暮らす人たちの豊かさや人間の魅力に心底ほれました。ぜひここを舞台にしたいと思いました」と話し、篠崎氏も「とても心が温かくて人の痛みを知っている人たちが多いということもありますし、ちょっとダメな家族が引っ越しをするという設定を決めてから能登に取材に行ったんですが、どの人たちからも能登を愛している郷土愛が伝わって、“ここだったらダメなヒロイン一家が引っ越してきてもも温かく迎えてくれるなぁ”と思い選びました」と語るなど、二人とも能登にべたぼれの様子を見せた。

最後に、高橋氏は「朝ドラで石川県を舞台にするのは42年ぶりということで、地域の人たちと一緒に頑張って作っていきますのでよろしくお願いします。」とアピールし、篠崎は「お茶の間の皆さん全員に愛されるような物語やヒロイン、登場人物を描いていきたいということだけを目標に書いていきたいです」と意気込んだ。

ドラマのヒロインについてはことしの夏ごろからオーディションを行い、秋には決定して撮影を開始する予定。また、パティシエの指導は石川・七尾出身でパティスリーの世界大会「クープ・ド・モンド」個人部門で優勝した、東京・自由が丘のフランス菓子店・モンサンクレールなどでおなじみの辻口博啓氏が担当する。