人間国宝・竹本住大夫のドキュメンタリー 引退発表に秘められた葛藤とは?

2014/06/03 21:18 配信

芸能一般

人間国宝・竹本住大夫に密着

関西テレビでは、6月7日(土)に「ザ・ドキュメント『芸の鬼~人間国宝・竹本住大夫 奇跡の復活から最後の舞台~』」(朝9:55-10:50)を放送する。

同番組は、'12年から約2年半にわたって、大阪の伝統芸能を牽引してきた人間国宝・竹本住大夫に密着したヒューマンドキュメンタリー番組。文楽座・最長老の太夫、竹本住大夫は、89歳になるまでの68年間を文楽一筋で生きてきたが、'12年の夏、補助金削減問題の渦中、脳梗塞に倒れた。太夫としての生命線である“言葉”に障害が残ることになるが、それでも半年のリハビリで復帰し、まだ何年も先まで現役を続ける意思を示していた。そんな中、わずかその2カ月後に引退を発表。竹本住大夫が抱えていた葛藤に迫る。ナレーションは桂南光。

住大夫の引退公演を鑑賞し、楽屋で初対面を果たした南光は、「とっても感激しましたし、89歳で、引退されるのにお元気だなと思いましたね。怒ってはるときもそうやし、もちろん舞台も。まだ引退せんとやってほしいなと思っていましたけど、自分でやめるっていう決断はすごいことだと思います。後輩とかにも厳しいけど、一番自分に厳しい方なんでしょうね。文楽の世界であれだけやってこられて、普通に話をしてもらえて、ほんまもんの人っていうのは“普通”なんだなと。特別な構えもないしね。短時間の間に、ほんまに芸の真理を教えてもらえたなと思って感激しましたわ」と印象を語った。

また、ナレーションを撮り終えて「私も文楽が好きで、住大夫師匠が引退されるのは残念やなと思ってましたので、気が、ちょっと入りすぎてるんですよ(笑)。収録している途中で、気が付いたんですけどね(笑)。映像を見ててもいろいろと私なりに思うところもありますし。でも、引退されるけども、元気な師匠でラストを迎えているので、私はとてもうれしいです」と感想を。

最後に「関西テレビがずっと撮り続けてこられたから、住大夫師匠の笑顔もあれば、恐ろしい顔もあって、一文楽ファンとしても、とてもうれしい番組です。私は、出来上がったVTRを家で2回見たんですけど、要所要所で感動して泣きましたからね。これまで全く文楽を見たことがない人も、『もう住大夫師匠は舞台に出られないけど、次の人たちはどう頑張ってるんか見に行ってみよう』と思っていただければと思いますね」と見どころを明かした。