“フレッシュで有能な脚本家の発掘”と“制作現場の活性化と視聴率アップ”を目指し、'00年から始まった「テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞」。先ごろ第14回受賞者が決定し、テレビ朝日の局内にて決定発表記者会見および授賞式が行われた。
「-新人シナリオ大賞」は、受賞者がその後、目覚しい活躍をしていることでも注目を集めており、第2回大賞受賞者の古沢良太氏は、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」('05年)で日本アカデミー賞最優秀脚本賞、映画「探偵はBARにいる」('11年)で日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞するなどの華やかな舞台で輝きを見せている。
ことしは応募総数1558篇の中から、脚本家の井上由美子氏、岡田惠和氏、両沢和幸氏らの選考によって大賞に東山泰子氏の「夏目家どろぼう綺談」に決定。優秀賞には小泉理恵子氏の「宣誓」が選出された。大賞を受賞した東山氏は「このたびはこんなすてきな賞をいただきましてありがとうございます! 大変、光栄です。私はこれまで賞というものと縁のない人生を送ってきたので、これで運を使い果たしてしちゃったかなと…自分でも驚いております。私自身もこの作品が映像化されるのを楽しみにしています。ぜひ多くの方に見ていただけたら幸いです!」と受賞の喜びを語った。また、優秀賞の小泉氏は「先ほどからお話にありますように61歳になりました(笑)。私は家に白黒テレビがきた喜びの日も、祖父の介護をしたご褒美に買ってもらったカラーテレビも全部覚えています。テレビに育てられた世代です。私は今まで賞をもらったことはなく、そのたびに年齢で落とされてしまったのかと思っていました。でも、あらためて自分の実力不足だったんだなと思うと同時に、いくつになっても自分の実力さえあればなんとかなるんだなと。選んでくださったことが皆さんの励みになればいいなと思います」と、笑顔を見せた。
選考委員の井上氏は「優秀賞が1人で少し寂しい気がしますが、いつになく特別な作品を選考することができたと思います。(通常放送枠が)1時間ものだとホームドラマやコメディーものの応募が多いので、毛色の違った作品を選ぼうと思っていました。特に『夏目家-』は完成度が高かったです」と、選考ポイントを明かす。同じく選考委員の岡田氏は「今回はお2人とも私が出身のシナリオ学校出身ということでうれしい限りです。この2人の作品にはドラマを書く人の意志のようなものを感じました。読んでいてとても楽しかったです。最近ドラマがつまらなくなってきたと言われていますが、ドラマを愛している人は確実にいるし、ドラマは新しい形が増えていくかもしれないですけど、なくならないと思います。本当は新しい人を育てている場合じゃないんですけど(笑)、今回は素直に感動しました」と、新たな才能に期待した。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)