「いろんな恥をかきながらお芝居を続けていきたい」水川あさみが語る“これから”とは?

2014/07/01 21:18 配信

映画 芸能一般

難しい2役を演じた水川あさみ

映画「バイロケーション」が7月2日(水)よりレンタル開始、7月16日(水)よりDVD&ブルーレイ発売となる。

同作品は、'10年に第17回日本ホラー小説大賞を受賞した法条遥のデビュー作を、角川ホラー文庫20周年記念作品として映画化したもので、自分と全く同じ容貌を持つ“もう一人の自分”、バイロケーションを題材にした異色のサスペンス・ホラー。スーパーで偽札の使用容疑をかけられた忍(水川あさみ)は、10分前の防犯カメラに映ったいるはずのない自分を目撃する。連行された忍は刑事の加納(滝藤賢一)から、自分と同じ容姿でありながら全く別の人格を持つ“バイロケーション”の存在を知らされる。バイロケーションに悩む者たちが集う会に連れてこられた忍は、主催者の飯塚(豊原功補)らと出会い、バイロケーションと戦うことを決意する…といったストーリー。

今回、同一人物でありながら別の存在という難しい2役を演じた水川あさみにインタビューを行い、作品の見どころや役へのこだわり、女優としての思いを語ってもらった。

――表と裏という2パターンの結末がある本作ですが、ご自身はどちらの結末が好きですか?

私なりの解釈ですが、「表」が桐村忍(オリジナル)のエンディング、「裏」が高村忍(バイロケーション)のエンディングだと思って演じていました。どちらもそれぞれの良さがあると思うのですが、私は「表」の方が好きですね。こういった作品だからこそ、「表」のような終わり方ができると思うので。見ていただく方には、両方見比べていただいて好きな方を見つけてもらえたらと思います。

――オリジナルとバイロケーションという特殊な1人2役でしたが?

見ている人たちをだまさないといけないので、感情的な面では全く違う2人でありながら一人の人に見えるようにと、あまり差異を出さないように演じました。中でも、桐村の方は切羽詰っていて追い詰められている感じを出したかったので、若干目のくまが濃かったり、少しげっそりしているように意識して演じました。ただ、桐村と高村が対峙するシーンなどは、(合成のため)出来上がりの映像をその場で確認することができないので、「ちゃんとそこに存在できているのか」という不安が常にありました。だから、完成したものを見たときは「ちゃんと成立してた!」と、とても安心しました。

――演じている最中に、役が混同してしまったりは?

「前後のシーンは(桐村と高村)どっちだったっけ?」ということはしょっちゅうありました。だから、スタッフの人を交えてみんなで確認しながら撮影するというのが恒例になっていました(笑)

――バイロケーションが生まれてしまいそうな精神的に追い詰められる瞬間はありますか?

しょっちゅうありますよ!(笑) 寝られなくて「バイロケ出てこないかな」と逆に望む瞬間もあります。

――水川さん、バイロケーションに対して共存派? 抹殺派?

やっぱ、共存派でしょ!(笑) 「月曜日はあなたで、金曜日は私ね」という感じで共存します。(本人はバイロケーションと記憶を共有できないですが?)それは、その日の出来事を色濃く教え合う!!(笑)

――“演じる”ということは水川さんにとって、もう一人の自分を発見すること? それとも、新しい自分との出会い?

どちらもあります。「ああ、こういう感情になるんだ」と新たな発見をする時と、すごく客観的にそれを冷静に演じている時、その時々によって違います。(この作品は?)この作品は役に没頭してしまうとどっちがどっちか分からなくなってしまうと思ったので、すごく頭で考えて整理しながら演じていました。もちろん感情的なところは別ですが、いつもより冷静に頭を働かせて撮影に臨んでいました。

――“演じる”面白さについては?

年齢が変わるにつれ、演じられる役と演じられない役が変わっていくというのは、すごく面白いなと感じています。ただ、現在は褒められることが多くなってきて、逆にそれが怖かったりすることもあるんです。だからこそ、その不安感を払拭するために、もっと自分を打ちのめすような役だったり、さまざまな舞台でいろんな恥をかいたりして成長していきながら、お芝居を続けていきたいと思っています。

――最後にメッセージをお願いします!

心霊的な怖さではないのでホラーが苦手な方も見られる作品だと思いますし、映画とは違ったDVDならではの見方がたくさんできると思います。ホラーでありながらも、一人の女性の物語でもあるので、そこを見ていただければすごくうれしいです!