「所さん!事件ですよ」出演の脳科学者・澤口俊之氏が今の“恋愛”と“結婚”を語る

2014/08/13 05:00 配信

バラエティー

「所さん!事件ですよ」に出演した脳科学者の澤口俊之氏

新聞の三面記事に小さく掲載された不思議な事件を追いかけ、その事件の裏に広がる知られざる日本に迫る番組「所さん!事件ですよ」が8月21日(木)にNHK総合で放送される。宮崎で起こった女子大生になりすました56歳の女結婚詐欺師や、飼えなくなったオウムが大量にひきとられた事件など、気になる不思議事件から、日本の一断面を浮き彫りにする。

番組は司会の所ジョージと共に、脳科学者の澤口俊之氏、トレンド評論家の牛窪恵氏、国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏の3人の専門家たちが、事件をきっかけにそれぞれの分野から“ご意見”を述べ、今の日本を深堀りする。今回、脳科学の分野から事件を解説した澤口氏にインタビューを行い、番組や事件の印象について話を聞いた。

――今回の番組に出演した感想を教えてください。

私も学生に大きな事件のトピックから本質を掘り出すという講義をよくしているんですけど、実は三面記事ほど人間の本質が現れているので、いい目の付け所だと思います。本当にいい情報も入っているし、ただ単に“こんな事件が起こりました”だけではなく、どうしてそういうことが起きるのかという本質の話ができますし、非常にバランスがとれている番組という印象でした。

――収録したスタジオの雰囲気はどうでしたか?

専門家の人数も3人でよかったですね。あまり多いと錯綜してしまいますので。この番組はテーマが非常にはっきりしていますから、ちょうどよかったです。それと堅苦しくない雰囲気がいいですね。一つ言わせてもらいますと、椅子が固すぎました(笑)。椅子が固いだけで人間は緊張しちゃうんです。会議とかではあのくらいでいいんですけど、もっと椅子は柔らかくしてもらいたかったですね。

――司会の所ジョージさんと共演した感想は?

とても自由な方ですね。発想や考え方も違う方なので驚きました。われわれ学者としても、所さんのような感じで反応していただけると楽なんです。非常にやりやすかったですね。絵とかを見せていただいたこともあるんですけど、マルチですよね。まさに現代のレオナルド・ダ・ヴィンチではないでしょうか。まあそれは言いすぎですけど(笑)。

――「女性詐欺師」の事件では、オンライン上で行われる恋愛や結婚を問題にしていましたが、どのような感想を持ちましたか?

脳科学者としては非常に興味深い話でした。恋愛には二通りのパターンがあるんです。最初に相手を見てから入っていくパターンと、もう一つが姿・形ではなく価値観とか同じ趣味から入っていくパターンですね。そういうのが端的に現れている事件でしたね。

――SNSなどによって、オンラインから始まる恋愛も少なくないそうですね。

SNSに関しては、肯定的な研究とそうでない研究があって、錯綜しているんです。SNSをやることによって人間関係が広がっていくというデータがある一方、やっぱり内面が重要だという二通りですね。孤独よりはましだと言われているんですが、でもそれが原因で詐欺にあってだまされてしまうというのはとんでもない話ですね。

――事件を通して、若い人たちの恋愛観についてどのように思いますか?

時代背景もあると思うんですけど、恋愛をオンラインだけでやってしまったり、会わないで結婚の約束をするというのは理解に苦しんでしまいます。“会う”ことは脳科学的にも心理学的にも前提条件なので。恋愛と結婚は人間の本質です。恋愛期間は五感をフルに活用して、相手を見極める時間です。そして、結婚相手とは少なくとも20年間は連れ添ってほしいです。