「さぼっていたわけではありません(笑)」7年ぶりとなる宮沢りえの主演映画が完成!

2014/08/23 20:36 配信

映画

映画「紙の月」(11月15日・土公開)の完成報告会見に登壇した吉田大八監督、大島優子、宮沢りえ、小林聡美、原作者の角田光代(左から)(C)2014「紙の月」製作委員会

'14年11月15日(土)公開の映画「紙の月」の完成報告会見が行われ、主演の宮沢りえのほか、大島優子、小林聡美、吉田大八監督、原作者の角田光代が登壇。宮沢は「あらためて7年ぶりの主演ということに驚いています。7年間サボっていたわけではなく(笑)、舞台中心に仕事をしていました。私はタイミングってすごく大事だと思っていて、映画もそろそろやりたいなと思っていたところにオファーをいただいたんです」とあかし、銀行で働く平凡主婦から横領犯へと変貌していく衝撃的な主人公・梅澤梨花を演じることに対し、「今までにやったことのない役を始めるには決断にちょっと時間がかかりましたが、吉田監督と仕事がしたい、見たことのない自分を見てみたいと思って出演を決めました」とにっこり。さらに、作品の仕上がりには「案の定、見たことのない自分の顔があって衝撃でした(笑)」と感想も語った。

本作は、直木賞作家・角田光代の長編小説「紙の月」を映画化。銀行で働く平凡な主婦・梨花(宮沢)が、年下の大学生・光太(池松壮亮)と出会い、光太と過ごすうちに、ふと顧客の預金に手をつけてしまう梨花。最初はたった1万円を借りただけだったが、その日から彼女の金銭感覚と日常が少しずつ歪み、巨額横領事件へと発展していく。

映画のオリジナルキャラクターで、梨花と同じ銀行の厳格な事務員・隅より子を演じた小林は、「普段の私は親しみやすいキャラなので(笑)、お局で20年以上のキャリアがあって仕事のできる銀行員・より子は、取っつきにくい人になるように怖い感じで頑張ってやってみたら、想像以上に怖くなってしまいました(笑)」と告白。大島からも「怖かったです(笑)」と指摘され、2人で照れ笑いを浮かべた。一方、AKB48卒業後初の映画出演となった大島もオリジナルキャラクターとなる銀行の窓口係・相川を熱演。「先輩方のお芝居を間近で見て、空気感や芝居への取り組み方、姿勢などを勉強させていただきました。感化されながら、緊張感を持って、一つ一つ繊細に演じさせていただきました」と振り返り、吉田監督の演出法を「目線や手の高さ、背筋にしても一つ一つ、繊細に的確に指示をくださる。その指示の声がすっと心の中に入ってきて、それを狙ってやっていたら本当にズルい!(笑)」と表現した。

宮沢、小林、大島ら豪華なキャストをそろえた今作。吉田監督は「この3人を揃えられたことを褒めてほしいですね。これを実現しただけで、仕事したと自己満足しています(笑)」と茶目っ気を見せつつも、「原作を読んで、世の中に牙をむいている作品だと感じました。そんな原作を映画化するにあたっては、挑戦する姿勢を見せなければならないと思い、映画の表現として隅・相川というキャラクターが出来ました」と熱弁。原作者の角田は、大胆に脚色された本作について「もの凄い映画になっていて度胆を抜かれました。これを作り上げた監督はすごいです!」と太鼓判を押した。