7月13日からTBS系で放送中の日曜劇場「おやじの背中」。10人の脚本家と10組の俳優がタッグを組み、10の物語を描く1話完結シリーズで、これまでに6つの物語を放送してきた。8月24日(日)OAの第7話では、脚本家・山田太一が描いた物語を渡辺謙&東出昌大が演じる『よろしくな。息子。』を放送。撮影の合間に、取材を受けた渡辺は「山田(太一)先生の密度の濃い短編。せりふと格闘しながら、撮影中に作品と自分とを探り合う感じ。とてもほんわかした話なのに緊張感がすごいあります」と話し、一方の東出は「(脚本は)1シーン1シーンが長くて、今までにない新しい感覚。終わったときの達成感はすごくある」と楽しみながらも刺激を受けているよう。また、渡辺は東出について「先輩にかわいがられるタイプ。叱咤激励されながら成長していってほしい」と父親のように見守った。
「おやじの背中」は、これまでに岡田惠和×田村正和&松たか子の『圭さんと瞳子さん』、坂元裕二×役所広司&満島ひかりの『ウエディング・マッチ』、倉本聰×西田敏行の『なごり雪』、鎌田敏夫×渡瀬恒彦&中村勘九郎の『母の秘密』、木皿泉×堀北真希&遠藤憲一『ドブコ』、橋部敦子×尾野真千子&國村隼『父の再婚、娘の離婚』の6話が放送された。
第7話『よろしくな。息子』は、戸川泰子(余貴美子)と見合いし、断られてしまった靴職人の高村浩司(渡辺)。だが、泰子を諦めきれない高村は、気持ちの整理をつけるため、せめて泰子の息子・祐介(東出)に一目会いたいと、祐介がアルバイトするコンビニエンスストアに向かう。浩司が祐介の様子をうかがっているちょうどそのときに出刃包丁を持った女性・桂(柴田理恵)が現れる。包丁を手にしたものの、気が動転している桂は「金を出せ」とも言えない。祐介はそんな桂をなだめ、「二度とこんなまねをしない」と約束させ、桂を解放する。浩司は祐介の行動に感銘し、後日、それを口実に祐介を呼び出し、祐介に自分が一生をささげた靴作りを継がないかと持ちかける…。
その後、靴づくりを教えてもらい始める祐介。祐介が靴の型を強くたたき過ぎ、浩司にもっと脇をしめて、優しくたたくように注意されるシーンの撮影では、どうしても脇をしめて靴の型をたたいてしまう東出に対して、渡辺は「(東出くんは)剣道やっているから、どうしても脇しまっちゃうよねー」と現場を和ませる一幕も。登場人物も少なく、山田脚本独特の会話劇で進んでいく第7話。台本15ページにもわたる渡辺と東出の2人だけのやりとりにも注目だ。
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