東京・NHK放送センターにて、10月11日(土)の放送スタートが決定したアニメ「山賊の娘ローニャ」(NHK BSプレミアム)の完成試写会が行われた。宮崎吾朗監督、川上量生プロデューサー、有吉伸人エグゼクティブプロデューサー、声の出演の白石晴香、宇山玲加が登壇し、作品への思いを語った。
「山賊の娘ローニャ」は、「長くつ下のピッピ」(岩波書店刊ほか)などで知られるアスリッド・リンドグレーンの児童文学をアニメ化した、宮崎監督の初テレビアニメシリーズ。山賊の娘として生まれた少女・ローニャは、家族や山賊の仲間と暮らす城を出て、初めて外の世界に触れる。森にすむ生き物や自然、そして父・マッティスと対立する山賊の息子・ビルクとの出会いを通して、ローニャが成長していく姿とその家族の絆を描く。また、オープニング曲は、宮崎監督が作詞を手がけ、映画「コクリコ坂から」('11年)でも音楽を担当した谷山浩子作曲、武部聡志編曲による楽曲を手嶌葵が歌う。
宮崎監督、川上プロデューサー、有吉エグゼクティブプロデューサー、主人公・ローニャ役の白石、ビルク役の宇山は、作品について以下のように語った。
■登壇者コメント
有吉:NHKのアニメ制作の歴史の中で、かつてないスケールで制作しています。監督のクオリティーに対するこだわりのため、放送開始時には全26話が完成している予定でしたが、現在3話までしか完成していません。それだけ、監督・スタッフとも力を注いでいて、画のクオリティーはテレビアニメの枠を超えた作品になったと思います。
川上:原作の許諾を取るためスウェーデンに行った際、向こうでも(宮崎)吾朗監督による映像化が話題になっており、期待されている作品だと感じました。この作品はCGで作成しているので、モデルを一旦作ってしまえば動かし方のノウハウなどが向上し、クオリティーが落ちることはないと思います。心配があるとしたら、完成するかどうかという問題ですかね(笑)。
白石:「山賊の娘ローニャ」は、たくさんの人の愛が詰まっている作品になっていると思うので、作品に携われてうれしいです。私も幼いころはわんぱくだったので、明るく元気なローニャと似ていると思います。なので、自然に演技できているのかも。ぜひ、多くの方に見ていただき、子供たちが大人になっても心に残っている作品にしたいです。
宇山:今までアニメの仕事の経験は少なく、男の子役は初めてなので、共演者の方の演技を見て勉強させていただいています。ビルクは思慮深い性格ということですが、ローニャと同じように山賊の息子なので、わんぱくな部分を出すのに苦労しています。監督・スタッフにご指導いただきながら、ビルクと共に成長していきたいと思います。
宮崎:この作品は父と娘の関係、兄妹ともいえるビルクとの関係からローニャが成長していく物語です。ですが、子供、親、祖父のような存在であるキャラクターの3世代にわたる視点で描かれる家族の物語ともいえます。オープニング曲は必要に迫られた段階で「どうしよう。とりあえず、自分で詞を書いて谷山浩子さんに曲をつけてもらっちゃおう」となって。それから、誰に歌ってもらおうかとなって、(手嶌)葵ちゃんしか浮かばなかった(笑)。仕上がってみたら、葵ちゃんの新しい一面が見られる曲になったと思います。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)