「SWEET LOVE SHOWER 2014」大トリのウルフルズが完全復活をアピール!

2014/09/30 14:19 配信

音楽

3日間の大トリとして、祭りの最後を彩ったウルフルズ

8月29日~31日にかけて、山梨・山中湖交流プラザきららにて行われたロックフェス「SWEET LOVE SHOWER 2014」。31日に行われた最終日の模様をリポートする。

WATERFRONT STAGEには、この日唯一の出演者・赤い公園~かよわき乙女Ver.~が登場。赤い公園による、この日だけの特別編成ということもあってか、ステージ周辺には多くの観客が詰めかけた。ボーカルの佐藤千明がおもちゃのマイクを握り「あれ、マイク入ってないです~!」とスタッフに呼びかけ笑いを誘った後、ドラマ「ロストデイズ」('14年、フジテレビ系)の主題歌にもなった「絶対的な関係」からライブがスタート。ギターの津野米咲がキーボードを弾くなど、普段のラウドなギターロックとは趣の異なる、穏やかなアコースティックアレンジでゆったりと聞かせていく。

「夏のために作った曲をやります」(佐藤)という言葉とともに披露したのは「サイダー」。タイトルそのままの爽やかなナンバーが、日が傾いてきたステージで見事に映えていく。そんなシチュエーションを受けて、佐藤の「最高のバケーションですね…いや、ロケーションですね(笑)」とおとぼけ発言も飛び出し、和やかな雰囲気に。最後は「日本で最もファンキーなお釈迦さま」という佐藤の呼び込みのもと、彼女たちのプロデューサーでもある蔦屋好位置がスペシャルゲストとして登場。蔦屋は「リハもやってないから怖いです!」とこぼしながらも、メンバーと共に新曲「NOW ON AIR」をプレー。ここでしか見られない共演で、観客を大いに沸かせていた。

夕暮れ時のMt.FUJI STAGEではハナレグミのライブがスタート。オープニングの「大安」から、ハナレグミこと永積タカシの伸びやかな歌声がステージに響き渡る。キーボードに原田郁子(ex.クラムボン)、ドラムに伊藤大地(ex.SAKEROCK)、ベースに真船勝博(ex.FLOWER FLOWER)というそうそうたる顔ぶれを迎えての演奏に、観客は思い思いのリズムで心地良さそうに体を揺らしていく。

「まだまだこのイベントは終わらないぜ~!」というハナレグミの言葉に、観客からも大きな歓声が上がる。後半には永積と原田が参加したユニット・ohanaの「オハナレゲエ」も披露。その名の通りレゲエやダブを基調した緩やかなビートで、まさに会場の雰囲気にぴったりな、和やかなムードで醸しだす。続いて永積が歌ったのは、多くのアーティストにもカバーされた名曲「サヨナラCOLOR」。穏やかに語りかけるような永積の歌声に、観客は固唾(かたず)をのんで聴き入っていた。

「そろそろ夏も終わりですけど、これからもいい日々が続くように、明日の天気を祈って終わりたいと思います。最後まで楽しんで」という永積のあいさつとともに、最後を飾ったのは「明日天気になれ」。少しずつ冷え込んできたものの、それを感じさせないほどの暖かなステージとなった。

LAKESIDE STAGEに登場したのは、同フェス初出演となる斉藤和義。1曲目から大ヒット曲「やさしくなりたい」で一気に観客を引きつけると、その後はフジイケンジ(ex.The Birthday)ら、気心知れたバンドメンバーとタイトなロックを奏でていく。一方でMCの際には斉藤の飾らない人柄が滲み出るゆる~いコメントで、観客を笑わせていく。終盤は自身の替え歌でも話題となった「ずっと好きだった」を披露し、最後は代表曲「歩いて帰ろう」で締めて、観客を大いに盛り上げていった。

すっかり日も落ちたMt.FUJI STAGEで、3日間の最後を務めるのはザ・クロマニヨンズ。雄たけびとともに登場した甲本ヒロト(Vo)、真島昌利(Gt)らは、オープニングの「突撃ロック」を皮切りに怒涛の勢いで演奏を開始。「紙飛行機」「ギリギリガガンガン」など、前半から代表曲を立て続けに披露していく超攻撃的な選曲に、観客のボルテージもどんどん高まっていく。

「最高の秋のために、最高の夏を締めくくろう!」と観客に語りかけた甲本だが、唐突に某大物アーティストの大ヒット曲をアカペラで歌いだす一幕も。それについて「ことしの夏はあんまり歌われなかったみたいだから…」と明かし笑わせる。「歌がうまい人が歌うのではなく、歌いたい人が歌えばいいのです。隣の人が下手だったら…う~ん。みんなで楽しんでいってください」と、熱さとユーモアを兼ね備えたMCに続いて演奏されたのは「グリセリン・クイーン」。エモーショナルな歌でさらに観客を引きつけていく。

その後もTシャツを脱ぎ捨てた際「本当は、そんなに汗をかいていません。ここでTシャツを脱ぐのは、クセです。サービスではありません」と語るなど、まさに“ヒロト節”全開で観客を喜ばせる。「ゆっくりしゃべったのは、新曲を歌うために気持ちを落ち着かせるためです。ことしの夏どこまで行った?」(甲本)という掛け声のもと、新曲「キスまでいける」を披露。終盤は「タリホー」や「ナンバーワン野郎!」などの鉄板曲を連発し、観客を巻き込んでの大シンガロングに発展。最後は彼らの代名詞的な「クロマニヨン・ストンプ」で締め。ステージ中から響き渡った「Oi」コールで、夏の終わりを大いに盛り上げた。

そして3日間開催となったことしのSWEET LOVE SHOWERで、大トリを飾るのはウルフルズ。誰もが復帰を待ち望んだ彼らの5年ぶりのライブは、トータス松本(Vo)の「カモン、けーやん!」の言葉とともに、ウルフルケイスケ(Gt)のワウギターで幕を開ける「ガッツだぜ!」でスタート。夏の終わりとフェスの終わり、それぞれを惜しむように観客も全力で盛り上がっていく。

「SUN SUN SUN '95」や「借金大王」といった懐かしのナンバーの後には、最新アルバムからの楽曲「ヒーロー」も披露。5年の不在を埋めるこの曲に感動する観客に呼応するかのように、ライブ前から降りだした雨も一段と強さを増していく。「バンザイ~好きでよかった~」「ええねん」と、これぞウルフルズ!という2曲を終えたところで早くも本編が終了。当然このままでは帰れない観客たちが熱いアンコールを送り、それに応えて4人が再びステージへ。

トータスは「終わる頃になって雨降りやがってホンマ腹立つわ~」とボヤき、笑いを誘いながらアンコールで代表曲「いい女」を熱唱。一旦退場したと見せかけて、トータスが観客の声によってステージに戻ってくる“お約束”も見せ、観客を大いに沸かせた。こうして3日間、約5万5000人を動員したフェスが幕を閉じた。