「俺のダンディズム」滝藤賢一が“振り切れ”演技の極意を語る!(前編)

2014/09/17 09:00 配信

ドラマ

段田役の滝藤賢一は「半沢直樹」('13年 TBS系)で迫真の演技が注目され、「BODER」('14年 テレビ朝日系)などの作品で名バイプレイヤーとして活躍

ことし4~7月にテレビ東京系で放送された滝藤賢一主演のドラマ「俺のダンディズム」のDVD-BOXが9月17日よりリリースされる。

「俺のダンディズム」は、さえない会社員・段田一郎(滝藤賢一)が、お気に入りの部下・宮本南(石橋杏奈)の「ダンディーな男が好き」という言葉に一念発起し“ダンディー”とはなにかを追い求める姿を描くコメディー。

劇中で段田が購入する腕時計やスーツなどの商品知識を詳細に解説するなど、情報番組の側面もあるユニークな作りや、段田がダンディーアイテムに心揺さぶられる様子を顔や声、ときにはオーバーリアクションで表現する滝藤の“振り切れた”演技が話題になった。

そこで今回はDVD-BOXの発売を記念し、段田役の滝藤にインタビュー。前編では彼自身連ドラ初主演となる作品への出演が決まった時の思いや、撮影時のエピソードなどをお聞きした。

■「撮影現場では振り付けに追われた」

――以前、テレビ東京の濱谷(晃一)プロデューサーにお話をお聞きしたとき「滝藤さんにオファーを出したら一日経たないうちに受けてくれた」というお話があったのですがそれは本当だったんですか?

はい、すぐにお受けしました。話を聞いてめちゃくちゃ面白かったですし、テレビ東京の深夜ドラマは「やりたいことをやれる」ってイメージだったから初主演を張らせていただくには最高だろうと思いました。

――実際に作品になると本当にやりたいことをやられているというか…撮影を振り返ってみてどうでしたか?

いろいろあったなあ。正直、解放されたという気持ちもあったし、ここからが新たな役者人生のスタートだとも思ったし…目標を一つ達成できた喜びもあります。

――それは連続ドラマに主演するという。

もちろん。ことしはもう働きたくないって気分になったぐらい(笑)。主演を張ることがなかったし、張れる顔でも声でもないのでやれるとは思ってなかったんですよ。

――やっぱりプレッシャーもあった。

重圧は自分でかけていたつもりです。周りの人達は本当にやりやすくしてくださいましたけど、やっぱり自分で背負っていく気持ちはないと成長がないと思うし…連続ドラマの主演って俳優にとってそれぐらい大きなことだと思うんです。

――それが段田のあの迫真の動きと演技につながっていったんですね。台本を読ませていただきましたが、段田のあの動きはそこまで指示が書いてなくて、ほとんどアドリブだったということに驚きました。

そこまでというか、何にも書いてなかったですよ!(笑)

――ははは。ではあの動きはどうやって考えだしていったんですか?

徐々に自分で作っていったんだと思います。第1話の「時計」の完成版を放送前に見て、自分としては全然満足しなかったんですよ。

――それはどうしてですか?

第1話では心の声が多すぎて、僕のテンションが上がりきっていなく、スピードに乗っていかない気がしました。だから、第2話の「万年筆」からは一気にボルテージ上げて振り切っていこうとか、そういう試行錯誤はありました。

――たしかに回が進めば進むほど、段田がダンディーアイテムを3択で選ぶ場面がものすごいテンポで進んでいきます。

僕はテンポとかメリハリをかなり大事にする傾向があるみたいで…森口瑤子さん(「マダムM」店主役)は商品説明をしないといけないので、大方斐紗子さん(美鈴役)とのやりとりでテンポアップしようと考えていました。

――すごいテンポ感に、あのキレのある動きが加わってくるので、これはまともなドラマじゃないとめちゃくちゃ笑いました。

あの動きは段田の心の声とワンセットなんです。現場では先に心の声をまとめて録るので、動きの芝居は心の声のせりふにどう段田としてどう動きを付けていくが肝心だから。

――自分からお題を振って、自分で答えるみたいなものですね。

心の声を撮り終わったら「振り付け」はどうするかにばかり気持ちが行っていました。

――そもそも「振り付け」っていう言葉自体ドラマのインタビューではあまり聞かないです。

ははは。だから「大変だったでしょう」ってよく言われたんだけど、全部自分で大変にしちゃっているんですよね。

――動きに関してはスタッフの方とも話し合われたんですか?

動きはわりと自分で考えていたけど、何が面白いか面白くないかっていうのは、頻繁にスタッフや共演者の方たちと話し合いました。僕はコメディーをあんまりやったことがないから、「笑い」はわからないんです。「僕はこういうことが面白いと思うけど、世間一般的にはどう思うんだろう?」というのはずいぶんと話し合っていました。

(後編へつづく)