映画「蜩(ひぐらし)ノ記」(10月4日・土公開)が、ポジティブな涙を流すことでストレスを発散させる活動“涙活”を推奨する団体・全米感涙協会によって「感涙映画第1号」に認定されたことを記念して、10月1日に都内で“涙活”試写会と出演者によるトークショーが行われた。トークショーには、役所広司、岡田准一、堀北真希、原田美枝子、小泉堯史監督が登場し、自身の感涙シーンや撮影秘話を語った。
同作品は、第146回直木賞を受賞した葉室麟による同名小説を映画化したもので、黒澤明監督の愛弟子である小泉監督が自ら脚本も手掛けた話題作。「生きる時間を区切られてしまった時、残された人生をどう生きるか」というテーマの下、師弟愛、夫婦愛、家族愛、初めての恋といった、人が人生で出会うさまざまな愛を描いている。群奉行の身で、側室と不義密通し小姓を斬り捨てるという事件を起こした罪で、10年後の夏に切腹することと、切腹の日までに藩の歴史である“家譜”の編さんを命じられた戸田秋谷(役所)。秋谷の切腹の日が3年後に迫っていたある日、城内で刀傷沙汰を起こしてしまった檀野庄三郎(岡田)は、罪を免ずる代わりに秋谷を監視することを命じられる。幽閉中の秋谷を訪ねた庄三郎は、秋谷の妻・織江(原田)、娘・薫(堀北)、息子・郁太郎(吉田晴登)と生活を共にしはじめる…といったストーリー。
登壇した役所は、「10月4日の公開に向けて、一人でも多くのお客さんに来てもらえるように頑張っています。とにかくお客さんに楽しんでいただければ」とあいさつ。一方、岡田は「この映画に参加させていただたいことをすごく誇りに思っています」と明かし、「試写の時に役所さんの横で見させていただいたんですが、役所さんが泣かれている姿を見て、『役所さんと小泉監督の力になれたかな』と不安に思っていたことが消え、救われた気持ちになりました」と告白。また、堀北は「この役を通してすごく大事なものを教わった気がします」と振り返った。ほか、原田は「この映画は、小泉監督をはじめ黒澤組のスタッフが集結して丁寧に作った作品です。映像の一つひとつが染み入るようないいかたちだと誇りに思っています」とアピール。
トークショーでは、“涙活”試写に掛けて登壇者たちが思わず涙を流してしまったシーンを告白したほか、最近涙してしまったシチュエーションを明かした。涙してしまったシチュエーションを聞かれた役所は、「最近、『蜩ノ記』という映画を見て号泣してしまった…(笑)」と話して会場を沸かせた後、「自分が出演した作品は、(見ても)なかなか入り込めないんですが、この作品は入り込んでしまいました」と苦笑。また、堀北は「どの作品でもそうなのですが、試写でエンドロールが流れると泣いてしまいます。一緒に現場で支えてくださったスタッフさんの名前を見ると、現実と作品の世界がリンクして胸が熱くなるんです」と告白。そんな中、岡田は「撮影スタッフの皆さんが映画界の重鎮ばかりで、そんな方たちと一緒に仕事をしているというのは、毎日泣ける思いでした」と振り返った。
最後に役所は、「皆さん、劇場に登場人物たちに会いに来てください。本当に心の美しい、健気で清らかな人たちが出ています。そういう美しさが、きっとお客様の感動を呼ぶことと信じています」とアピールした。
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