世界初!実写8K3D映像の上映が決定

2014/10/06 20:53 配信

芸能一般

世界初の実写8K3D作品「WISH」。メーキング映像を紹介するコーナーもある(C)NHKメディアテクノロジー

NHKメディアテクノロジー(MT)は今年創立30周年を迎えるにあたり、放送通信関連機器の展示会であるInterBEEで「創立30周年記念技術展」を実施すると発表した。MTはNHKの放送番組制作や番組システム開発を担うNHKのグループ企業。今回の技術展のテーマは「MT+1(プラスワン)」で、普段の業務に加えて新たな価値を来場者に提示したいという願いが込められている。

今年のInterBEEは千葉・幕張メッセで、11月19日(水)~21日(金)の日程で開かれるが、MTは例年通りのブース展示に加え、600平方メートルを超える国際会議場2階コンベンションホールAで大規模な展示会を開催。ブースとコンベンションホールの展示の総数は30に上る。その中でも目玉展示となる「特別展示」は、世界初の実写8K3Dシアター。200インチのスクリーンに22.2chステレオサラウンドの音響システムを融合した8K映像を3D環境で上映。コンテンツ名は「WISH」で、ピエロと少女の不思議な世界を描いた約4分間のファンタジー作品となっている。

一方、こちらも世界初となる脳神経外科手術用顕微鏡に2台の小型4Kカメラを装着した撮影システム「4K3D外科手術撮影システム」も展示。これは日本脳神経外科学会第73回学術総会事務局からの依頼を受け、MTと協力会社が開発したもので、すでに脳内の耳の神経にできた腫瘍の摘出手術など、6例の手術の撮影を行った。「執刀の邪魔にならないよう、カメラはトータル2kgに軽量化し、2台のカメラを同期させることが大きなテーマでした」と開発担当者は語った。執刀医と同じクオリティーの映像をリアルタイムで確認でき、医療教育現場などでの利用が期待できる。

また、MTでは'11年の東日本大震災発生以来、岩手、宮城の7カ所を中心に、被災地の定点観測を3Dで行ってきた。現在、3年間にわたる「世界唯一の震災3D映像」をベースにした80分のドキュメンタリー作品を河邑厚徳が監督し、役所広司のナレーションで制作中だ。InterBEEではその5分間の予告編を公開する。今年の3月11日で震災から3年が過ぎたが、制作統括の智片通博氏は特にこの1年は「土地の風景のみならず、住んでいる人の心象風景も変わったと思う。このタイミングに、そういった人を絡めた大型ドキュメンタリーができるのではないか」と制作意図を明かす。

ほかにも、Webアプリによる4Kデジタルサイネージや98インチの8Kディスプレーを横に3台並べ、連動させた動画を映し出す超ワイド8Kコンテンツなど、次世代をにらんだ技術展示を一挙公開する。