及川光博、黒木メイサらが出演している11月ドラマ「悪貨」(WOWOWプライム)は、精巧な偽札に支配される人間たちの欲や裏切りなどを描いたサスペンスドラマだ。劇中に出てくる偽札は巧妙で、流通しても気付かないレベルという設定。また、黒木メイサ演じる刑事が宝石店の店員として潜入捜査をして事件の真相を探る場面も見られる。そこで今回もこれらの事象が現実に起きた場合の刑罰などを、弁護士の今井優さんに教えてもらった。
Q.気付かずに使ったお金が、その場で偽札と判明。捕まってしまう?
A.偽札であることを全く知らなかった場合は、有罪になりません。ただし、警察に事情を聞かれることはあるかもしれません。もし、偽札と知っていた場合は、刑法上は「無期又は3年以上の懲役に処する」と定められています。お金は社会的信用など、社会全体にとって守るべき利益を保護するために、重い刑が科されることになっています。
ちなみに、実際に平成24年度警察が把握した刑法犯の中で、通貨偽造罪(偽札を作ったことによる処罰含む)にあたる行為は約1100件。警察が把握した刑法犯は全部で約200万件なので、それと比較すると警察が把握している件数は少ないですね。警察の知らない偽札が流通しているかもしれませんね。
Q.潜入捜査って実際にあるの?
A.例えば、自治体が客引き行為を禁止している場合、警察官がわざと歓楽街で客引きされるのを待ち逮捕するという捜査方法は行われているようですが、店員として潜入捜査するというのは、聞いたことがありません。また、潜入捜査で集めた証拠を裁判で提出しても証拠収集方法が違法とされて、犯人を有罪にできないこともありえます。
実際、知らないうちに偽札を使っているかもしれない、入ったお店の店員さんが潜入捜査官かもしれない・・・と思うと恐いが、ドラマではリアル感があって面白いはず。ハラハラさせられる展開の中で、次第に引かれあう及川演じる野々宮と、黒木演じる宮園の関係にも注目!
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