三上博史が視聴者にお願い!「まだやれると言って」

2015/01/20 12:27 配信

ドラマ

連続ドラマW[贖罪の奏鳴曲」(WOWOW)の完成披露試写会に登壇した(写真左から)青山真治監督、三上博史、とよた真帆

WOWOWプライムで1月24日(土)より放送スタートとなる連続ドラマW「贖罪の奏鳴曲(ソナタ)」の完成披露試写会が都内で行われ、主演の三上博史と、とよた真帆、青山真治監督が登壇した。

本ドラマは'09年に「さよならドビュッシー」で「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した中山七里原作の法廷ミステリー。三上は過去に重大な罪を犯した弁護士・御子柴礼司を、とよたは保険金目的の殺人容疑の刑事裁判で敗訴目前の被告人・東條美津子を演じる。第1話は、御子柴が美津子の弁護を買って出るところから物語が始まる。

三上は、青山監督と映画「月の砂漠」('01年)以来約13年ぶりのタッグに「青山監督とはあれからご一緒したくて、常々プロポーズをしていたけれど完全無視で(笑)。今回やっと実現できました」と笑顔を見せた。撮影を振り返り、三上と青山監督は事前の準備として「何かヒントはないか。盗めるしぐさはないか」と実際に地方裁判所と最高裁判所での公判を傍聴。「弁護士のスタイルとかしぐさとか物言いとか、参考になることがまったくなかったですね」とおどけながらも、「小説を100冊読むより、(裁判所に行った方が)面白い。事件の断片から概要が分かるまで時間がかかって、こういうことを言っていいのか分からないけど、まるでミステリーであり大娯楽作品でした。今後は趣味のように傍聴しに行きたい」と収穫もあったことを明かした。

ドラマのタイトルにちなみ「私生活で“贖罪”したいこと」を問われた青山監督は、妻であるとよたに向けて「生臭い話ですが、『東京公園』('11年)ができるまでの約4年間、すべての仕事が流れて収入がほぼなかった。本当に迷惑をかけました。ごめんなさい」と謝罪。夫からの“サプライズ謝罪”にとよたは「リアルな話はやめてくれます?」と照れ隠しで笑い飛ばしながらも、「芸術家を支えるということは、そういうことですので」とコメント。会場からは「おお~」と感嘆の声が上がった。

一方、三上は「私は日々現場で“贖罪”です。私は、現場では人間でなくなる。自分で何が言い出すか分からないし、役柄とは関係なく周囲を傷つけることをしてしまうので、クランクイン前に『僕の言っていることは気にしないで』と伝えています」と、“芝居の鬼”の片りんを見せた。三上の“俳優魂”に、司会者が「現場の緊張感、すごそうですね」と問いかけると青山監督ととよたが「めっちゃくちゃ緊張感あるんですよ!!」と夫婦で声をそろえた。

最後に三上は「役者をさせてもらえて幸せなんです。だけど、その一方で『いつやめるか』を考える時期があって。もう、それも第何期でしょうか。監督からの『スタート』の声が上がって、カチンコが鳴った時に、自分の中からあふれてくるものがなければ役者としてもう駄目だと思っているんです。今回は、ドボドボと、ダバダバと、あふれてきた。これがあるうちはやっていけると思いました」と、本ドラマへの思い入れの強さを明かした。さらに「ドバドバの瞬間は1話にも3話~4話にも出てきます。皆さんに目撃者になってほしいですね。そして、『おめー、まだやれるじゃねーか!』と言ってほしい」と視聴者にリクエストした。