メ~テレ(名古屋テレビ)では、2月11日(水)に第29回民教協スペシャル「英雄の妻 敦子 激動の日中関係を生きた女の人生」を放送する。卓球世界選手権3連覇を成し遂げた中国の英雄・荘則棟氏(そうそくとう・故人)の妻・佐々木敦子さんの半生に迫るドキュメンタリー。常盤貴子がナレーターを務める。
民教協(民間放送教育協会)は、放送を通じて教育の機会均等と振興に寄与することを目的とした公益財団法人。毎年、全国の加盟局の応募作品からドキュメンタリーのスペシャル番組を放送している。今回は、メ~テレが制作を担当し、テレビ朝日など加盟33社で放送される。
今回取り上げる佐々木さんは、1944年に旧満州で生まれた70歳。終戦後も、父親の仕事の都合で中国に残っていたが、22歳のとき、父親が死去。初めて祖国・日本で暮らすことになった。
そこで、佐々木さんは、1971年の卓球世界選手権で名古屋を訪れていた荘氏と出会う。荘氏は、1961年から世界選手権を3連覇し、建国間もない中国に夢と希望を与えた“民族の英雄”。
後に、北京で再会した佐々木さんと荘氏は交際を始めることになるが、そこへ中国政府が介入。荘氏との結婚と引き換えに、“日本国籍を捨てる”という条件を突きつけた。
その後も、尖閣諸島の問題のため、がんに侵された荘氏が日本で治療を受けられないなど、日中関係に人生を翻弄され続けた佐々木さんが、その半生と現在の心境を語る。
放送に先駆けて行われた完成披露試写会には、応募作品の選考に当たった映画監督の崔洋一氏、写真家で作家の星野博美氏が出席。崔氏は、「在京キー局の潤沢な取材費、取材網とは違うアプローチに惹かれた」と語る一方で、「厳しい目で見てしまったが、佐々木さんと荘氏の“純愛”に寄るのではなく、社会と個人という、どこの国にも存在する問題に深く切り込んでほしかった」と注文を付けた。さらに、「ただ、今回でピリオドを打つのではなく、中国への取材は掘り下げていってほしい」と激励。
番組を制作したメ~テレの城田達康プロデューサーは、「メ~テレの歴史の中で、中国にこだわってやってきた諸先輩方がいて、これを受け継いで村瀬(ディレクターを務めた村瀬史憲氏)らが頑張っている。これからもこだわっていきたい」と語った。
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