東京・渋谷のNHK放送センターでは、第44回NHK番組技術展が開催されている。
この技術展は日常の放送業務の中から生まれた新技術を紹介するもので、どの展示にも実際に放送機器を使用する現場担当者ならではアイデアが反映されている。ことしはNHK各地の放送局から27の機器が出展された。
展示された中にはすでに実用化されたものもあり、「ウルトラロー雲台」もその1つ。「雲台」とはカメラを固定させる機材のことだが、これまでは三脚より低い位置から撮影する場合は、カメラを床に置き固定するしかなかった。
だが、いったん固定してしまうとアングルの微調整や水平を合わせるのに時間がかかるうえ、カメラワークも思うようにできない。新しく開発された雲台を使えば、地上18cmまでカメラの位置を下げることができ、縦方向に±40度振ることができる(チルト)。
連続テレビ小説「マッサン」の第5週で、マッサンこと亀山政春が株主の前で土下座する超ローアングルのシーンでは、この機材が使われて撮影された。
そのほか、屋外に設置した情報カメラの映像の中から、自動で災害が発生した時の映像を抽出し高画質の映像を放送局に伝送する装置や、緊急警報放送を受信すると自動でテレビのスイッチをつけるリモコン装置など、災害情報をいち早くニュース素材にして確実に視聴者に届ける装置も数多く展示されている。
番組がどのようにして作られているのか垣間見ることができるNHK番組技術展は11日(水)まで開催。
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