(金子ノブアキがNBAを語る!【前編】より続く)
――ウェスタンで気になる選手はいますか?
西はやっぱり、ニューオーリンズ・ペリカンズのアンソニー・デイビスが伸び盛りで、チームの成績が良ければシーズンMVP間違いないくらい。最初は眉毛がつながっていることばかりに注目がいってましたけど(笑)。初年度なんかはガリガリでね。ただドラフト1位の名に恥じずに、体をガッシリ作ってきてるっていうのが一番ですね。あと西は控えが派手過ぎて、ジェイムス・ハーデンとかスターターじゃねぇのかよっていう。ハーデン、ケビン・デュラント、ラッセル・ウェストブルック、クリス・ポール、ティム・ダンカン、ラマーカス・オルドリッジがベンチって…東だったらスターターですよ。コービー・ブライアントが抜けた分のスターターは、順当にいけばデュラントかハーデンかな、ポジション的に言えばハーデンか。ハーデンもシーズンMVP級の活躍で、クローザーとして試合を決定づけてる場面も何度もあるし。ヒューストン・ロケッツでドワイト・ハワードと相性いいんですよね、ハワードは今回出ないけど。ハワードはお祭り野郎だから、オールスター向きではあるんだけど(笑)。
――それでは、オールスターMVPの予想をお願いします。
難しいなー!一番難しいですよね、オールスターMVPの予想って。商店街の寄り合いみたいな空気もあるから(笑)、「ご祝儀で」みたいなこともあるし。'93年にカール・マローン(※7)とジョン・ストックトン(※8)の2人がMVPだったんで、1人とは限らないですよね。スプラッシュブラザーズの2人っていう話もなくはない(笑)。ファンとしては最高だけどね、マローン&ストックトンにならって、ステファン・カリー&クレイ・トンプソンが獲っちゃったら凄いな。
――前夜祭のダンクコンテストは誰が優勝すると思いますか?
ザック・ラビーンですかね。今回は1~2年目の選手しか出ないダンクコンテストだけど、解説の中原(雄)さんが言っていたのは「全力でやってくれますよ」って(笑)。ダンクコンテストに関しては、全部辞退しちゃったレブロン・ジェイムスに1回くらい出てほしかったな。もう出ないだろうけど、マイケル・ジョーダンみたいに若くて勢いのあるうちに、1回くらい出て優勝してくれていたらね。ラビーンは高校生のときからオールアメリカンゲームのスラムダンクコンテストに出ていて、フィジカルが半端ないんですよ!化け物ですね。ミネソタ・ティンバーウルブズからダンクキングが出たら、アイザイア・ライダー(※9)以来だし。ライダーが初めてNBAでレッグスルーダンクをやって、そこからダンクの種類も増えたんだけど、出尽くした感がありますね。車の上を跳んだり、奇をてらう方向にいってるんで。絵を描いて「ジャーン!」って見せたりとか、ダンク関係ねぇって(笑)。
――ここからは、シーズン後半戦からプレーオフまでの見どころを聞かせてください。
シーズン後半で、まず楽しみなのは2月19日(木)、トレードのデッドラインですよね。デッドラインの2~3日前になるとGMの電話が鳴り止まなくなって(笑)、滑り込みで定例的に凄いことが起きるっていう。ベテランがチャンピオンリングを求めて勝てるチームにやってくることもあるし、タンク中のチームが凄い補強したり、FAになられるくらいならここでトレードしちゃえとか、大きく選手が動く時期なんですよね。それが楽しみ、何もない時もありますけどね。
――ゴールデンステイト・ウォリアーズはこのまま好調を維持できるでしょうか?
プレーオフに向かっていくと、前半戦はなかったことになっちゃうんで。ウォリアーズも今は調子いいけど、本当に一寸先は分からないですよね。プレーオフでベストメンバーが全員そろったことがないんですよね。ここからは本当に削られるんで、けがするんですよ絶対!アンドリュー・ボガットもデイビット・リーもけがしがちで爆弾を抱えていて、カリーも足首が良くないし、本当に潰しにかかってくるから。レギュラーシーズン前半は全然ソフトなんで、「泳がしてるよ」「今のうちにチヤホヤされとけよ」ってみんな思ってる可能性もあるし。だから、ジョーダンがいかに凄まじかったかって思いますよね。トライアングルオフェンスと、ローポストからのフェイダウェイを編み出して、ゆっくりゆっくり40点くらい獲っていくっていう(笑)。
――ウォリアーズの壁になりそうなチームはありますか?
オクラホマシティ・サンダーがまだ10位(2月10日現在)にいるっていうのが怖いなぁ。ここも、デュラントとウェストブルックの2人が、いつけがしてもおかしくないんですよね。ウェストブルックとか「ダー!」って大暴れしてて(笑)、けがから復帰して、あんなにそのままだった選手も珍しいですね。もう元気かよ!って(笑)。けがから復帰して最初のシュートが右手のダンクで、「グァー!」ってテンション半端なくて(笑)。
(金子ノブアキがNBAを語る!【後編】へと続く)
(※7)カール・マローン/歴代2位の通算得点記録を持つパワーフォワード。'96年にNBA50周年を記念した“50人の偉大な選手”に選ばれ、'97年と'99年にMVPを受賞
(※8)ジョン・ストックトン/歴代最多のアシスト記録、スティール記録を残したポイントガード。'96年に“50人の偉大な選手”に選ばれ、'09年に殿堂入り
(※9)アイザイア・ライダー/'93年にドラフト5位指名でティンバーウルブズに入団。'93~'94年にオールルーキー1stチームに選ばれた
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