金子ノブアキがNBAを語る!【後編】シーズン後半戦で最大の敵とは!?

2015/02/11 06:00 配信

芸能一般

“NBAファミリー”としてWOWOWのNBA中継に出演中の金子ノブアキスタイリスト=上井大輔

(金子ノブアキがNBAを語る!【中編】より続く)

――ウェスタンで後半戦のキーになりそうなチームはどこでしょう?

西はどこが伸びるんだろう。けがしないところでしょうね、本当に。サンアントニオ・スパーズなんかは、まだ全然焦って考えてないと思う。さっきも解説の中原(雄)さんが言ってたけど、今あのくらいの順位でちょうどいいんですよね。試合巧者過ぎちゃって、ゴールデンステイト・ウォリアーズがプレーオフの1回戦で当たって叩かれるっていうのが容易に想像がつく。でも、ヘッドコーチがスティーブ・カーなんで、彼は分かってるんですよね、その辺は。フィル・ジャクソンともグレッグ・ポポビッチともやって、GMも経験して、解説者もやって、ここまでは最高の業績を残してるんで。ただ、ウォリアーズとしては、勢いのある内にスパーズと当たっておきたい!ってのもあるかもしれない。消耗したところで当たるのが一番怖いチームなんで。オフェンスはやっぱり博打なんで、博打が当たるうちに叩いときたいなって。

――他にもロサンゼルス・クリッパーズなどウェスタンは強豪ぞろいですね。

クリッパーズもことしムリなら解体の予感がしますね、ちょっとイントロ鳴ってる気がするんだけど。ブレイク・グリフィンはどんどんシュートレンジ広げて偉いけど、素行不良が目立って、それでチームに悪影響があったり。メンバーはこれ以上ないメンツなんで、ジャマール・クロフォードとか半端ないですよね。あの年代の選手で、あんなにバリバリの人は多分いないと思うんだよね。ずっと同じ身体能力を保っていて、ああいう選手がベンチにいるのは恐ろしい。マット・バーンズもいるし、ケビン・ガーネットがバイアウトで入ってくるかも知れないって言われてるし。ヘッドコーチがドック・リバースだからありえますね。ボストン・セルティックス時代に一緒に優勝してるんで、「最後はドックと一緒に優勝する」って狙ってくる可能性はありますね。

――イースタンのキーになりそうなチームはどこでしょう?

東はクリーブランド・キャバリアーズかな。レブロン・ジェイムスがけがから復帰した後は勝率8~9割とかでしょ。レブロンはマイアミ・ヒートであんだけ削られてたのに、ゴリラみたいな筋肉で全部はね返してて、多分体にガタ来てたんですよね。昨季の最後から「腰がちょっと…」とか言い出してたし。それで無理したくないからキャブスに戻って、ケビン・ラブやカイリー・アービングとやろうってのに、ヒートのとき以上にそうなっちゃってるのが皮肉だよね。レブロンがドラフト1位でキャブスに入ったときは、キャブスがユニフォームの色を変えて、マイケル・ジョーダンと同じ23番も用意して。それまではジョーダンにやられる筆頭のチーム、斬られ役だったのに、レブロンが町を変えちゃったんですよね。それで1回ダークサイドに落ちてヒートに行って、「スター・ウォーズ」みたいで格好いいじゃないですか(笑)。そこから「ジェダイの帰還」でキャブスに戻ったのに、そこでラブを引っ張ってきたあたりが、しょっぺぇな!って思っちゃうんですよね(笑)。

――キャブスはシーズン後半戦もレブロン次第でしょうか。

レブロンの復帰後はすごくいいんですけど、プレイングタイムもすごい長いし、ずっとこのペースじゃレブロンもやってられないと思う。キャブスに骨を埋めるって言ってるから、これでまたどっか行ったら本当の悪い奴だと思っちゃうけど(笑)。まぁキャブスにいるのであれば、ゲームメークはレブロンがするし、カイリーはスコアラーとしての居場所を見つけましたよね。あとは献身的なビッグマン、ハッサン・ホワイトサイドみたいなのが来てくれたら最高。「ヒートに去年いたらね」ってさっき中原さんと話してたんだけど(笑)。去年ホワイトサイドがいたら、もう間違いなかった!いなかったからね、センターが。純粋なセンターがグレッグ・オデンしかいなかった(笑)。オデンは博打に外れてね、ケビン・デュラントの年のドラフト1位ですから。サム・ブーイ(※10)の再来と言われてね、ジョーダンの年のドラフト2位(笑)。1位がアキーム・オラジュワン(※11)、2位がサム・ブーイ、3位がマイケル・ジョーダンですから。ポートランド・トレイルブレイザーズはジョーダンを獲らなかったんですよ!当時のフロントの人間は今でも悪夢にうなされてるって言いますからね(笑)。まぁ東はキャブスでしょうね、ファンは待ってくれませんから。「ラブ獲ったからには、ことし結果出せよ」って思ってると思いますよ。

(※10)サム・ブーイ/“史上最高の当たり年”と言われた'84年にドラフト2位でポートランド・トレイルブレイザーズに入団

(※11)アキーム・オラジュワン/キャリアの大半をヒューストン・ロケッツで過ごした歴代屈指のセンター。'96年にNBA50周年を記念した“50人の偉大な選手”に選ばれ、'08年に殿堂入り

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