NHK BSプレミアムで3月21日(土)に放送される「ザ・プレミアム たけしの『これがホントのニッポンの芸能史』」の取材会が行われ、ビートたけしと所ジョージ、片山千恵子アナが登壇した。
同番組はたけしが独自の切り口で貴重なアーカイブ映像を紹介しながら、今まで語られてこなかった“日本の芸能史”に迫るバラエティー。
大スターや大ヒット曲などの本流の裏で、多くの売れずに消えていった芸人や歌手にスポットを当てる。「彼らの存在なくして、芸能史は語れない!」というたけしが本当の芸能史を紹介していく。
今回は“漫才師”を中心に、芸人たちの知られざるエピソードを交えながら魅力と見どころを解釈する。ツービートで漫才を極めたたけしが語る漫才論は必見だ。
収録を終えたたけしは「漫才は自分でもやっていたから、自分の漫才を見るのはちょっとつらいなと思っていましたが、まぁまぁ出来がいいなぁと(笑)。あと昔の人のでもやっぱりいいものはいいんだと思いました。(漫才の)スタンダードナンバーになっている。若手が先輩の芸の感覚を伝承してまた新しく生まれ変わるというのがよく分かった。でも悲しい話だけどエンターテインメントっていうのは何千人何万人の人間が花開くことなく去っていくところで、でもやっぱり残ったものはすばらしいという感じがして面白かったです」と語った。
所は「僕は歴史とか全然知らないんですけれど、出てくる方のVTRを見ると本当に楽しかったです。番組の中でも言ったんですが、今足らないのは『お祝いの席にぜひこの人に来てほしい!』というような漫才ができるお笑いの人の席が空いているんじゃないかなと思いました」と指摘した。
片山アナは「NHKでお二人がタッグを組むというのは初めてで、ある意味(日本テレビ系の「世界まる見え!テレビ特捜部」でたけしと所と共演していた)楠田(枝里子)さんの気持ち(笑)」と述べ会場を笑わせた。
片山アナがスタジオのセットの後ろに並べられたハリセンやピコピコハンマーなどお笑いの小道具について“お笑い文化遺産”と紹介すると「ユネスコに聞いてみようか」とたけしがジョークを言う一幕も。
また片山アナは「たけしさんにハリセンでパシンとやられたという、NHKアナウンサーでは初めての経験をさせていただきました」と笑みを浮かべた。
最近の芸人やタレントで気になっている人はいるかと問われた所は「この番組を今の現役の人たちが見たら反省するんじゃないかと思いましたね。圧倒的にパワーが違う。今の方たちも今の時代に合っていて今の時代のパワーがある。でもそれじゃない力がある。(番組に出てくる芸人は)引き出しがたくさんあるという感じがしました」とコメント。
一方たけしは「俺はねぇ、ブームの時の力とか先輩とかすごいなぁと思う。本当のことをいうと視聴率が圧倒的に違うからね。今の時代でお笑い番組は10%取れば万歳だが、われわれの時は25から30%だからね。だから(漫才の)出来が悪い時は外を歩くのが嫌だった。『ツービートきのうつまんなかったね』とか言われるから。出来がいいと平気で喫茶店なんか行っていたけど(笑)。そのぐらい社会がお笑いに巻き込まれていて『きのうの漫才あいつがすごかった』っていう時代だったからパワーが違うんだろね。これからはオンタイムでテレビを見るとか見ないとかになってくるから人気があるかどうか分かりづらい。ただ俺はこれからは落語じゃないかと思う。俺はこれから落語家になって引っかき回してやろうかなと思う(笑)。(立川)談春さんの弟子になってね、梅に春とかいて“ばいしゅん”、『立川梅春』と名乗ろうかと」と言うと所から「そういうこと言っていると、後であのとき言わなきゃよかったなと思うから(笑)」とたしなめられた。
これまでの芸能生活の中で印象に残っている芸人を聞かれたたけしは「俺はずっと意識していたのは、やすきよさんもそうだったけどWヤングさんだったね。結局並ぶとどちらが受けるか受けないかのかみつき合いだったから。徹底的に負けた時があるからあの時のショックはすごかったね。Wヤングさんすごいなと思って。お笑いって受けない時のことって何十年たっても覚えているものだね。受けた時は覚えていない。夢に出てくることがある。変な夢で全然受けないっていう。ライブでのしくじりっていうのは本当にこたえるんだなぁと思うし。今度ドラマで落語やるんだけど、お客を入れて落語をやるからやっぱり上がるよね。いくら舞台を踏んでいても。漫才なんかやったら本職だと思うから余計上がるよね。受けないと思ったら余計落ち込んで。無料の時でも落ち込む。ギャラなしの舞台やらされて、受けなくて無料の客でも受けないことに落ち込む。受けたらただでもいいっていうのはあるよね」と語った。
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