マキタスポーツが連続ドラマ初主演を務める「PANIC IN」が、4月10日(金)からBSスカパー!で放送がスタート。“非常事態とオンナの香りが、俺を呼ぶ。”がキャッチコピーとなっている今作は、BSスカパー!オリジナル連続ドラマ第2弾にして、大スケールのCGを使用した大迫力パニックドラマとなっている。
マキタスポーツが演じるのは、43歳独身のさえない中年男性・車田寅雄。寅雄はエピソードごとに職を転々としており、仕事に向かう途中で、止まらないバス、未確認生物、テロリストなどのパニック的局面に遭遇。そこで毎回違うマドンナに出会い、モテたい一心で彼女たちを救おうと奮闘するというストーリーだ。
今回、初主演連続ドラマの撮影に突入したマキタスポーツに、作品の魅力について語ってもらった。
――連続ドラマで初主演を務めることになった感想はいかがですか?
身に余る光栄です。プレッシャーとかそういうことよりも、なるべくご迷惑をお掛けせず、つつがなく現場を楽しくやれたらなと思っています。
――ドラマでは「スピード」('94年)や「エイリアン」('79年)など、さまざまな映画のパロディーやオマージュが描かれますが、お好きな映画を入れたんですか?
いやいや、僕の方から何も言っておりません。おそらく僕のキャラクターから、逆算して組み立てているんだと思います。「マキタスポーツだったら逆にないだろう」とか、そういうところから、やったら面白いなってものを選んでるのかなと思いますけどね。
――1話目は“止まらないバス”ということで「スピード」にオマージュが捧げられています。ドラマのオマージュ作品になる映画はご覧になっていましたか?
「スピード」はリアルタイムで映画館で見てたくらい好きでした。だから、ひょっとしたらキアヌ・リーブスが憑依していたかもしれないですね(笑)。オマージュ作品は一部を除いて大体見てるかな。でも、見て参考にしていいかっていったら微妙だと思うんですよね。あまり意識しなくてもいいのかなと途中から思いました。
――鈴木太一さん、SABUさんなど、それぞれのカラーがある方が演出を担当されていますね。
1話目は鈴木太一さんが監督されていて、しばらく太一さんとは一緒に仕事をしていなかったんで、演出を受けながら「太一さんだ~」って。演出がしどろもどろなんですよ(笑)。しどろもどろなんだけど、それが的を射ている感じなんですね。しっかりとしたものがハッキリとあるんです。
でも、さっきも言ってましたけど、太一さんが「…面倒くさい!」って言ったんですよ(笑)。「しゃべんの面倒くさくなっちゃった。よーい、スタート!」って(笑)。何だよ!っていう。
あと、太一さんが書く脚本は、とにかく極度のマザコン性が爆発するんですよね。SABUさんの脚本は“お母さん”の感じがあんまりないんですよ。ただ太一さんの回になると「母ちゃん母ちゃん」言い出すし、寅雄もなんか情緒不安定なところがある(笑)。
――マドンナ役では藤井美菜さん、武田梨奈さん、逢沢りなさんらが出演しますが、彼女たちとの掛け合いはどうなるでしょうか?
いや~、寅雄はイイ感じになりかけてることはあんまりないな(笑)。寅雄はなんか生々しいですね(笑)。脂ぎっているっていうか。
特に太一さんの回は、マザコン性も出るし、言ってることがおかしいんですよ。幽霊に話しかける場面で、幽霊に向かって「天国に行ったら女の子と一日中空を飛ぶことができるんだ」って。言ってて何だかさっぱり分かんねぇ(笑)。これ太一さんじゃないと書けないですね。
――そんな寅雄ですが、ご自身と似ているところはありますか?
あー、似てると思いますね。ヤバイですね。似てるというか、当て書きしてると思います。僕のダメっぽさとか、イケてなさとか、よくいえば哀愁がすごくあるって言われるんですけど、僕は自分で哀愁出した覚えないんですよ。まったく哀愁を出した覚えがない。
だけどいろんな要素の中で、僕の成分からそのお出汁が出るというか。僕自身はお出汁を出そうと思って生きてる魚ではないんですよ。勝手に出てる。そういうダメさ加減は自分に重ね合わせられるというか、出ちゃってるもんだから、寅雄と僕はうりふたつって言ってもいいですね。
――主題歌もご自身のバンド、Fly or Dieで手掛けられますね。
主題歌はすごく腕が鳴ります。これまで自分のために曲作りをやってきて、自作自演で。でも今回はドラマがあってこそ成り立つというか、曲を聴いたら寅雄や番組を思い浮かべられますよね。('88年に)長渕剛さんの「とんぼ」っていうドラマ(TBS系)と歌がありましたけど、あれは壮大なPVだと思うんですよね。あれくらい主題歌とドラマを合致させたいです。
――それでは最後に、作品の見どころをお願いします。
とにかく映画愛が詰まっているところですね。オマージュもふんだんですし、マニアックな方はそういう見方をしていただいて。そうじゃない方も、昔からある喜劇みたいなものを今の時代にシフトさせているような作品なので、見てしみじみと笑ってしまう感じが出てると思います。上質なコメディーになっているので、ぜひ見ていただきたいですね。
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