松江&山下両監督が語る「東京都北区赤羽」【前編】

2015/04/14 05:00 配信

ドラマ

「山田孝之の東京都北区赤羽」で演出を務めた(左から)松江哲明監督、山下敦弘監督

1月クールにテレビ東京ほかにて放送されたドキュメンタリードラマ「山田孝之の東京都北区赤羽」のBlu-ray、DVD BOXが4月15日(水)に発売される。

同番組は、'14年夏に役と自分を切り離すことができなくなった俳優・山田孝之が、漫画「ウヒョッ!東京都北区赤羽」(双葉社)と出合い、作者の清野とおるや赤羽の住人たちと交流しながら、自らの軸となるものを追い求めるドキュメンタリードラマ。

今回は発売を記念して、松江哲明監督と山下敦弘監督に見どころを語ってもらった。

――まずは、「山田孝之の東京都北区赤羽」の反響をお聞かせください。

山下:内容よりも、企画や番組の面白さへのリアクションが多くて。意外と、ドラマなの? 作りなの? と聞かれることは少ないんですよ。

松江:僕も、いつも感想をくれる人が熱い連絡をくれる。面白いとかどうとかより、『何なの?』っていう(笑)。知り合いのミュージシャンの方から一言、『何なんですかこれ』っていうLINEもきました(笑)。また知人の俳優さんからも長いメールを下さって。僕の作品をたくさん見てくれていて、どういった作品を作るのかということを分かった上でドギマギしている、さらに僕が影響を受けた人がドギマギしているということに喜びを感じますね! 高田文夫さんが「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」(ニッポン放送)でこの番組について話してくださったのもうれしかった。

――山下監督は、出演もされていました。

山下:シーンによって、演者になったり監督になったり新鮮でしたね。少し役者の気分を味わえたというか。でも僕がちょっと楽しくなっちゃって、出しゃばって喋り過ぎると山田くんがキッてにらむんですよ(笑)。それで後から「あそこちょっと調子乗ってましたよね(笑)」って言ってくる。山田くんはとにかく周りを見ていましたね。僕が山田くんを動かしたシーンは1秒もなくて、むしろ山田くんを見ながら動くようにしていました。

――山田さんは番組を見ているだけでも相当変わった人だと感じました。

松江:本当に変わってるんですよ! とにかく変な青汁! あれペットボトルに入れてるんですよ!

山下:それでまずそうに飲むんだよね(笑)。僕も山田くんに勧められて飲んだことがあるんですよ。でも果肉がひげにたまっちゃって(笑)。液体しか来なくて。あれは飲み物じゃないですね。たぶん本人もごはん扱いしてるし。ちなみに味はまあまあでした。

――番組でもよく飲んでいるあの青汁ですね!

山下:あとTシャツを1枚1枚畳んで、全部ネットに入れて洗うんですよ。

松江:しかも1枚1枚裏返してから畳むんですよ。それで10何枚っていうTシャツを洗濯して乾燥機に入れて。そのきちょうめんな姿を見て、後日山田くんに「A型?」って聞いたら、「A型だからやってんじゃない!」と言ってましたね(笑)。

――そんな山田さんは赤羽でどのように変わっていきましたか?

松江:7話で大根仁監督にサイコロマンを見せて「これおかしいよ!」って言われてるのに、「そうですか?」って言ってるところですかね。あれは完全にやばい宗教にはまってる人のよう(笑)。大根監督に会いに行く道中のバスでも「大根さんは(赤羽から)身を引いた人だからね!2、3回行っただけだからね(笑)」とか、1時間くらい話してて、あの雰囲気はやばかった(笑)。

山下:綾野剛くんが出た8話辺りでだんだん山田くんに疲れが見えてくるんだよね(笑)。赤羽に住むことが相当負担になっているなあと。彼も人間なんだなあと。だって、あの山田孝之に吹き出物ができたんですよ!!(笑)。

(松江&山下両監督が語る「東京都北区赤羽」【後編】に続く)