電気のみを動力としたフォーミュラカーのレースシリーズ「FIAフォーミュラE」の第6戦アメリカ・ロングビーチ大会が4月4日(土)から開催される。
1月に行われた第4戦ブエノスアイレス大会では、鈴木亜久里率いるアムリン・アグリのアントニオ・ダ・コスタが初優勝。日本でも注目度が高まるフォーミュラEだが、ことし3月からはアメリカ、ヨーロッパとモータースポーツの“聖地”ともいえる国々を転戦中。
全レース市街地開催ながら、クラッシュの続発する派手なレースが魅力の一つだが、第5戦マイアミ大会は、アクシデントやクラッシュがなくセーフティーカーが入らない初めてのレースとなった。
フォーミュラE中継で解説を務める片山右京がマイアミ大会を振り返り、さらに第6戦ロングビーチ大会の展開を占った。
片山は「第5戦のマイアミは、セーフティーカーが入らなかったおかげで、戦略的なエネルギーのマネジメントやドライバーのエコドライブ技術などがレースに大きな影響を与える、ということがよく分かるレースになりました。そんなアクシデントや波乱のない展開になった時にレースをどう組み立てるか。
結果的に、ドライバーの走り方が光ったのですが、そのことでワイドなトラック(コース幅)でセーフティーカーが入らないレースでは何をしなければならないか、ということをチームもドライバーも分かったと思います」と語り、「大きな節目になった大会」だと位置付けた。
第6戦ロングビーチ大会については「ロングビーチのコースは、フォーミュラEの特性に合わせてレングス(距離)が短い。ただ、マイアミ同様コース幅はワイドです。つまり、マイアミと同じようにセーフティーカーの入らない、ノーアクシデントのレースが予想されます。
となると、次回もドライバー、チームに求められることが高い次元となり、より戦略性を持ってコースを見ていかなければ上位に入るのは難しいのではないかと思いますね」とハイレベルな戦いになると分析した。
また、アムリン・アグリについても触れ、「第4戦ブエノスアイレスで優勝したアムリン・アグリのアントニオ・ダ・コスタが、ハンドリングが決まらないだけで、マイアミでは後方に沈んでしまった。それだけセッティング、ハンドリングが大事になってくるということです。
アムリン・アグリにもちゃんとセッティングしてもらって、またいい結果を出してほしい。今度は日の丸が上がって君が代が聞けるといいですね。やっぱりフォーミュラEでもジャパンパワーが見たい、というのが正直なところですから」と期待を寄せた。
加えて、「ドライバーにしても、マイアミで2位に入ったスコット・スピード(アンドレッティ フォーミュラE)のように、ドライビングスタイルが向いていれば、いきなりヒーローになれるんです。ほかのカテゴリーではお金がなければ参入できない、といったことを考えると、世界で自分をアピールするチャンスは多い。
(小林)可夢偉にしても語学力があるのだから、チャンスがあれば使ってくれと積極的に自分をアピールしてほしいですね。それも一つのジャパンパワー、必ずしも技術的なものだけではなく、そういう部分でも日本の存在感をアピールしてほしいです」と、F1で活躍しながらもシート争いに苦しみ、ことしはスーパーフォーミュラへの参戦を表明している小林可夢偉にもラブコールを送った。
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