女子アナがカギ!「ブラタモリ」ほか旅バラエティー好調

2015/05/26 02:11 配信

バラエティー

ブラタモリに出演する桑子真帆アナ

4月からNHK総合で放送が始まった「ブラタモリ」が好評だ。土曜夜の7時30分という各局それぞれ人気番組が多い時間帯にも関わらず、放送開始からたった1回をのぞいて、すべて2桁の視聴率とたたき出している。5/23放送では12.5%と、これまでの最高視聴率を記録した(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。

番組は、これまでの旅バラエティーにはあまり見られない、その土地の地形や歴史を追求していく。タモリが楽しそうに坂道のウンチクを話し、その土地の地形の成り立ちについて語るシーンなどは大きな見どころだ。さらに、毎回その土地の案内人が登場するが、土地ならではの疑問に、案内人より先に答えてしまうタモリの博学ぶりに驚かされる。

3年前放送時の久保田祐佳アナに代わり、今回タモリと共に旅をしているのは桑子真帆アナ。'15年4月から東京のアナウンス室へ異動したが、それ以前にもBSプレミアムの「ワラッチャオ!」に出演しており、バラエティー番組になじみがある。タモリのトークに対しても明るい笑顔で返す姿が印象的だ。

他の旅バラエティーでは、テレビ東京系の「モヤモヤさまぁ~ず2」に注目したい。'07年の深夜から放送が開始し、若干メジャーな場所に行くことが多くなったが、街歩きしながらモヤモヤする場所を探すというスタイルは変わっていない。

'10年に放送枠が日曜夜7時に進出。'13年4月に大江麻理子アナが番組を卒業し、狩野恵里アナにバトンタッチした。狩野アナは番組中、学生時代に陸上競技をやっていたという見事な脚力で激走して見せたり、「アルティメット」という競技でフライングディスクに飛びつくなど、アグレッシブな行動で次々と笑いを生み出している。また、三村マサカズ対狩野アナという構図も恒例となり、三村に対抗心をあらわにするが、とんでもない不器用さで毎回最下位になり、混乱と笑いを呼んでいる。交代から2年目を迎え、さらにさまぁ~ずとどんな対決を見せるのかが注目だ。

関東のみの放送だが、フジテレビ系で人気の旅バラエティーが有吉弘行生野陽子アナ出演の「有吉くんの正直さんぽ」だ。ことし3月で「ぶらぶらサタデー」が終了し、4月から「正直さんぽ」が放送開始。関根麻里、柳原可奈子、松岡茉優の女子3人が散歩する「正直女子さんぽ」と2週ずつ交代で放送している。

主に都内の街を散歩し、気になった店に入るスタイルだが、有吉は「入らなければよかった」や「これはまずい!」などと正直に感想をコメントすることも。そんな有吉の言動に驚かされつつ、ほめることだけしかない他の番組とは違うその正直さに爽快さも感じさせられる。有吉の毒舌キャラだからこそできる番組だろう。

有吉と共に散歩をする生野アナは、有吉に厳しくツッコまれたり、熱々のたこ焼きを一個丸ごと一口で食べさせられたりと、徹底したいじられキャラになっている。香港スペシャル('14年1月11日放送)では、異国の地で一人置いてきぼりされてしまうというとんでもない目に合わされた。しかしそんなことになりながらも、笑顔で有吉についていく姿に健気さを垣間見ることができる。

3番組ともそれぞれ、お笑いのメーンを中心とした番組の持ち味がありながら、加えて女子アナの共演者が和やかな雰囲気を醸し出している。一瞬ツッコむのにためらってしまいがちなベテランタレントにも、女子アナたちがするどくツッコみを入れていくこともある。番組の共演者という以上に、旅の最中のプライベートを共有する時間が長いので、親しみが湧き、和やかな番組の雰囲気が作られているのではないだろうか。

また、行く場所を変えるだけで、その場所次第で番組の雰囲気が変わり、見ていて飽きがこないのも旅番組の特性だ。今後、この3番組がどのような場所でどのような雰囲気を作っていくのか目が離せない。