哀川 翔と品川ヒロシ監督がタッグを組んだ人間と不死身の感染者<Z>との生き残りを懸けた闘いを描いたサバイバルアクション映画「Zアイランド」。そして、映像配信サービス「dTV」で絶賛配信中の、映画の10年前を描いたオリジナルドラマ「Zアイランド~関東極道炎上篇~」。
両作は、格闘技を自身でも習っている品川監督が、「自分の好きな物をぶち込んだ」と語るように超絶アクションあり、笑いあり、感動ありのエンターテインメント作品に仕上がっている。両作品で監督・脚本を務めた品川監督に見どころを聞いた。
――映画「Zアイランド」でメガホンを取った率直な感想は?
完全オリジナルだったので、楽しかったです。もう好き勝手、自分の好きな物をぶち込んでできたなっていう(笑)。それが、翔さんにもマッチしてたと思ってます。昔からずっとゾンビが好きで、自然とアイデアが湧いてきましたね。あとゾンビって海外の物っていうのがあるので、昆布だしとかカツオだしでクリームシチュー作ってみたという感じです。和風テイストに仕上げて、自分のフィールドに持ち込んだ感じです。
――アクションも見どころの一つだが、撮影の苦労は?
やっぱり時間がなかったことですね。カット割りを単調にしたくないし、工夫をしましたね。アクションでも、手の形一つとっても正しい型を徹底しました(笑)。僕の師匠にも出来上がりを見ていただいて、「これは、教材ビデオになりますよ」って言ってもらえるぐらいこだわったと思います。わざわざスローモーションとかにして、魅せられてると思います。一番こだわりました。時間があればもっとカット割りもできるし、役者のみんなも、もっと練習ができるんですけど、限られた時間と限られたカット数で、格好良く撮るというのが一番大変でしたね。
――主演の哀川の魅力は?
翔さんはVシネとか映画とかの渋い、格好いいっていうイメージとバラエティーの楽しい、優しいというイメージがあると思うので、そのどっちも出ればいいなと思いました。元ヤクザという芯の部分では怖くて、戦う迫力みたいのはあるんだけど、今は普通の優しい人っていう雰囲気がまさに翔さんだったんで、それを出せればいいなと思いました。翔さんすぐ遊びに行っちゃうんで、1カ所に留めるが大変でした。もちろん演技の注文はしましたけど、どっちかというとテンポとかを大切にしました。カブトムシ要素はないですけど(笑)。でも何かどっか面白い感じがでていますね映画版は。ドラマ版は最初から最後まで結構渋めです。
――先輩芸人や俳優に演技を付ける心構えは?
僕なんかは結構情熱でぶつかっていっちゃう。礼儀正しい方でもないですし、しっかりしてる方じゃないんで、「いや、これ本当に面白いんで」っていう雰囲気で、ぶつかっていったら大体皆さんそれに応えてくれますね。現場の雰囲気も、みんなずっと笑いながら撮影してましたね。
――ドラマと映画で撮影手法を変えたところは?
そんなに変わってないですけど、ドラマの方がゆったりしていますね。編集もそうなんですけど、皆さんの間もあんまり詰めなかったですね。ドラマはスマホで見る人もいると思ったんで、あんまり早過ぎると何やってるか分かんなくなっちゃうなぁっていうのもあって、ちょっとゆったり目の方がいいと思って撮影しました。
――裏話は?
翔さんでいったら撮影の合間にアジ50匹釣り上げたり、カニを捕まえたり、とにかく生き物をすごく捕まえていましたね。ロケ地が新潟市内と(新潟・)佐渡島だったので、佐渡に連れてったのが間違いでした(笑)。佐渡の方々が、地の魚や野菜とか振る舞っていただいたんですけど、その一角に翔さんのアジフライっていうコーナーがあって(笑)。
――格闘技の魅力は?
僕はジャッキー・チェンとかブルース・リー世代なんでね、やっぱり脳裏に格好いいものとして洗脳されているので、「ジャッキー・チェンに憧れなかった同級生いんのかよ」みたいなところもあるんで(笑)。僕はそっから、ジェット・リーとかドニー・イェンとかもそうですし、最近だとザ・レイドとかハリウッドだとマトリックスとかの(テイストが)自分の中に流れてるから、その中の格好良さを継承しつつ、リアルなのを撮りたいっていうのがあるんですね。
――格闘技が好きで、自身でも格闘技を習っているが?
本当に強くなろうと思って格闘技をやってる訳じゃないんで、映画のためというか格好いいアクション作るために格闘技をやってる感じです。アクションを考えたいんで、自分が格闘技をやっているんですね。
――また今回、dTVをテレビで見られる「dTVターミナル」も体験されていますが、いかがでしたか? また、dTVで今後やりたいジャンルなどありましたか?
dTVターミナルを使ってみて、ショートショート(ジャンル)にすごい気持ちが移っていますね。僕、ショートフィルムが好きなんですけど、ショートフィルムって8割つまんなくて、2割ぐらい面白いみたいな。だから当たり見つけるのが結構大変なんです。でも、これだけコンテンツがそろっているので、すぐにでも見たいですね。あと、アニメが強いっすね! うちの子供がアニメ好きなんですが、これだけアニメが充実してるのは他にないと思いますよ。dTVターミナルは操作性も良くて簡単ですし、すぐにでもつなげて楽しみたいなと思います。
――最後に見どころは?
ドラマ版はゼロっていうかスピンオフっていう立ち位置で、「あ、ここにつながるのか」っていう感じで作ったので、もちろんドラマから見ても楽しいとは思うんですけど、でも映画見てドラマ見て映画を見るっていうのが一番うれしいかな。映画版は本当にポップコーンを食べて、ビール飲んでっていう作品を目指しました。ドラマ版は、アメリカ人の太ったヤツがでっかいバニラアイス食べながら家で見るような楽しみながら見られるイメージです。映画は本当に笑って泣けてアクションがあっていい意味でB級のエンターテインメントだと思いますね。ドラマはもっと焦点をアクションとか、残虐描写とかに絞ってるんだけど、だけど笑えるっていう。笑いの質も映画より渋いです。なんで、その辺も楽しんでいただければと思います。
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