6月15日(月)に「テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞」の第15回受賞者が決定し、記者会見と授賞式が行われた。
「フレッシュで有能な脚本家の発掘および育成」「制作現場の活性化と魅力的なコンテンツの提供」を目指して企画された同賞は、第一線で活躍する人気脚本家が最終選考委員を務めていることで、話題を集めてきた。大賞には800万円、優秀賞には100万円の賞金が贈られる。
第2回大賞受賞者の古沢良太氏は、'05年公開の映画「ALWAYS 三丁目の夕日」で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞。
また、第6回優秀賞受賞者の坂口理子氏は、'13年公開のジブリ映画「かぐや姫の物語」の脚本を担当、第9回ファイナリストの伊藤洋子氏はテレビ朝日系のドラマ「遺留捜査」の脚本を担当するなど、このコンクールから新進シナリオライターを数多く輩出している。
第15回の今回は応募総数1394通の中から、選考委員の井上由美子、岡田惠和、両沢和幸の3氏による最終選考の結果、大賞には藤原忍氏の「少女のみる夢」、優秀賞には石川俊介氏の「ぼくらがたたかうためのうた」と馬場悠希氏の「デッドマン・ストーキング」が選ばれた。大賞受賞作は、今後テレビ朝日でドラマ化される予定だ。
大賞を受賞した藤原氏は「このような素晴らしい賞をいただきありがとうございました。私は褒められるよりも短所を指摘されて、そこから“なにくそ!”と這い上がるタイプなので、先生方のご意見をしっかり受け止めてこれから頑張っていきたいと思います」と喜びをコメント。
優秀賞に輝いた石川氏は「3歳くらいの時、当時10チャンネルのテレビ朝日さんで放送していた『電撃戦隊チェンジマン』という特撮番組が大好き。いつかプロの脚本家になったらテレビ朝日さんに企画として出してみたいと考えていたのですが、今回、ダメもとで応募してみました」と語った。
同じく優秀賞の馬場氏は「自分の作品を読み返してみて、未熟なところを痛感しました。この機会を生かして、1~2年後には自分の書いた作品が映像化されるように頑張っていきたいと思います。先生方が選んでくださったという事実を自信に変えて、今回お会いできた皆さまとのご縁を大事にしながら頑張っていきたいと思っております」と、これからに向けた意気込みを明かした。
選考委員を務めた井上は「テレビ局がこれだけのお金を出して新人の発掘をしてくださることは、ライター志望者にとっては勇気になりますし、プロのわれわれにとっても励みになります。脚本家という仕事は良いことも悪いこともあり、悪いことの方が意外と役に立ちます。これから皆さんも悪いプロデューサーやディレクターにどんどん出会っていただき(笑)、その過程でドラマ界全体を持ち上げてくれたらと思っております」と、受賞者にエールを送った。