TOKYO MXほかで放送中のアニメ「SHOW BY ROCK!!」が、6月21日(日)の放送で最終話(第12話)を迎える。
「SHOW BY ROCK!!」はハローキティやマイメロディなど国民的キャラクターを生み出してきた老舗・サンリオが、初のゲーム・アニメファン向けのプロジェクトとしてリリースしたAndroid/iOS対応の音楽ゲームをアニメ化したもの。
音楽ゲーム「SHOW BY ROCK!!」の世界に引き込まれた主人公のシアンがバンド・プラズマジカに加入し、ライバルたちと音楽を通じて競い成長していく姿が、ポップな世界観と親しみやすいキャラクターで描かれている。
さらに音楽スタッフには「NARUTO -ナルト-」シリーズや「プリキュア」シリーズを手掛ける高梨康治ら、気鋭の作曲家陣を起用。劇中のライブシーンでは、アニメ絵と3DCGで描かれたミニキャラクターの双方を使い分けて表現され、ギターコードの押さえ方やドラムのたたき方も忠実に再現するなど細部にこだわりを見せている。
また一方で「SHOW BY ROCK!!」は、今シーズンの“異色作”としてもアニメファンの間で話題になった。これまで低年齢層を対象とした作品で次々と成功を収めてきたサンリオにとっては珍しい青年向けの作品であることをはじめ、マニアックなネタやパロディーネタも積極的に取り入れる“サンリオっぽくない”試みが多い。
その結果、女性ファンだけではなく多くの男性アニメファンからの支持も獲得。ツイッターやニコニコ動画では“SB69”という愛称で呼ばれ、サンリオ主催の投票企画「サンリオキャラクター大賞」でも、中間発表で登場人物が上位にランクインする(結果は6月27日発表)など、快進撃が続いている。
そこで今回は、ゲームリリース時から主人公のシアンを演じ続けてきた声優の稲川英里に「SHOW BY ROCK!!」が持つ魅力を語ってもらった。
――「SHOW BY ROCK!!」は音楽がとても重要な要素になっています。
音楽作りに関してはとにかく本格的だと思います。劇中に登場する主要なバンドには、それぞれ違うプロデューサーの方々が付いているんですよ。一人の作曲家さんが劇中で作風を変えながら作るということではなく、劇中のバンドが現実にいるような感覚で楽曲が作られていて。キャスト陣のレコーディングの時には「過度にキャラクターを演じようとしないで」と言われたりしました。
――稲川さんが演じるシアンはどんな音楽をやっている?
シアンのいるプラズマジカの音楽は、王道なガールズロックです。とても荒削りで、それは音楽界の頂点に立とうとかそういう欲もなく、単純にロックが好きだから、というシアンの気持ちを表現するために、そういう演奏になっているんです。
――演奏の仕方でもキャラクターの見せ方を変えているんですね。
そう、劇中にはトライクロニカという男の子のバンドが出てくるんですが、トライクロニカが演奏するのは、完全に計算され尽くされたアイドルソングなんです。その子たちはプラズマジカとは対照的で、一つの方向性に向かっていてぶれがなくて。
だから劇中に出てくるバンドの音楽を聞き比べるだけでも面白いと思います。私はプラズマジカだと、“生っぽさ”があるところが好きなんです。それは私がもともと好きなスウィング・ジャズを聞いている時に近い感覚がありました。
――演出やストーリーの魅力はどこにありますか?
見ていてびっくりする演出は多いですね。かわいかったり格好良かったりするキャラクターが、ラーメンの食べ方だけで1曲歌ったり、怖がっていることの表現として急にイラストのタッチが劇画調になったりするんです。夜遅くの放送でもあるし、初めは正直、見てもらえるハードルは高くなっているのかなと思っていました。でも実際は多くの方に見ていただけて、本当にうれしかったです。
それから、お話自体は正統派であることも見ていただけている理由の一つだと思っています。一人の女の子が異世界に飛ばされて、いろいろなことを経験しながら、成長して元いた場所に帰ろうとするという、成長物語が根底にあるんです。しっかりとしたお話があるからこそ、より音楽も映えると思うし、さまざまな楽しみ方ができる作品になっていると思います。放送後も何度も見ていただける作品になっていってほしいです。
――アニメの本放送が終わった後も、劇中曲のCDリリースやライブ、イベントが続きますね。
はい。アニメは終わりますけど、CDでもイベントでも、アプリゲームでも、何かをきっかけにして「SHOW BY ROCK!!」の世界に入ってみてほしいです。そして配信や再放送を通じて、アニメにも触れていただけたらうれしいですね。イベントではプラズマジカのライブが見てみたいかな。シアンを映像で出してもらって、実際にお客さんの前で演奏してほしいです!
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