元巨人GM清武氏が描いた山一證券の闘いを映像化!

2015/06/22 06:00 配信

ドラマ

「しんがり 山一證券 最後の12人」の著者の清武英利氏

WOWOWでは、9月より「連続ドラマW しんがり~山一證券最後の聖戦~」を放送する。

原作は、元読売ジャイアンツGMで、現在ジャーナリストとして活躍中の清武英利氏の'14年度講談社ノンフィクション受賞作「しんがり 山一證券 最後の12人」。読売新聞記者時代から取材を続けた山一證券の廃業の裏側、その時代の日本経済を描き、サラリーマンの心を射抜く作品だ。

「しんがり」とは、負け戦の際に、最後列で敵を迎え撃つ人々を指し、戦場に最後まで残って味方の退却を助ける役目を担う。

'97年、突然発表された山一證券の自主廃業。誰もが予想だにしなかった巨大金融企業の破綻は、日本経済に大きな打撃を与えるだけでなく、日本の終身雇用の終わりを告げる事件ともなった。

会社の消滅の時まで、仲間と共に闘い続けた熱き社員たちの姿に、さまざまなリスクやストレスの多い現代の日本社会を生きる全ての人に、未来に向かって生きていく活力とエールを送る。

そんな骨太な社会派ヒューマンドラマの演出を務めるのは、平成25年度文化庁芸術祭優秀賞を受賞した「ドラマW チキンレース」('13年)、映画「柘榴坂の仇討」('14年)の若松節朗監督。脚本は、テレビ朝日系「相棒」シリーズを手掛ける戸田山雅司が担当する。

原作者の清武氏は「“しんがり”たちはドラマに向いていないと思っていた。彼らは半沢直樹のようなスーパーマンではなく、何事もなければ他人に知られることもなかった普通のサラリーマンでありOLだから。たまたま、山一證券の破綻の時に会社の後列から押し出され、心の奥底の固い芯が現れたのだろう。

企業敗戦はどこにでもあり得ることで、私たちの隣にある現実だ。もしもこのドラマに心を動かされる人がいたとしたら、その人の中にも『しんがり人』と同じような抵抗と希望の力が潜んでいるからだと思う」とドラマをアピールしつつ、日々闘う企業戦士にエールを送った。

【ストーリー】'97年11月、四大証券の一角で“人の山一”と呼ばれた山一證券が自主廃業を発表。

幹部でさえ直前まで、約2600億円もの帳簿外の債務があることを知らなかった。簿外債務の法律違反があることと、会社が大き過ぎて財務体力も銀行の支援もないことから、大蔵省は、事業を継続しながら自主再建する「会社更生法」の適用でなく、「自主廃業」を求めた。

巨額の簿外債務は、いつ、どのように生まれ、どのように隠し続けられたのか。役員までもが沈没船から逃げ出す中、最後まで会社に踏みとどまり、真相究明と顧客への清算業務を続けた社員たちがいた。彼らは社内から“場末”と呼ばれ、煙たがられた部署の面々だった。彼らは、戦に敗れて退く時、軍列の最後尾で戦う“後軍(しんがり)”そのものだった。