NHK総合で毎週火曜日に放送中のドラマ10「美女と男子」。美人だが人の気持ちが分からないキャリアウーマン・一子(仲間由紀恵)が、ひょんなことから新人マネジャーとして芸能界に飛び込むという物語だ。そんな一子が発掘した新人俳優・向坂遼を演じる町田啓太にインタビューを敢行。遼というキャラクターや演技における葛藤などを語ってもらった。
――ここまで向坂遼を演じられての率直な感想は?
全20話の中でもう半分が終わりましたが、最初は全然やる気のなかった遼が、徐々にやる気が出て成長してきたと思います。同じように僕の中でも成長があって、向坂遼と僕自身にリンクする部分が増えてきたので、もっとやってみたいなという気持ちになっています。
――ぶっきらぼうながらも思いやりがある遼ですが、どんな男性として捉えていますか?
思いやりがあるのかないのかも、ちょっと分からない感じですけど(笑)。遼は、優しいというか、ちょっとおせっかいなところがあるんだと思います。自分が気になったら「気になる、教えろ」みたいな。それが“優しい”と見えているのかな。あとは、自分自身も両親のことで苦労があったので、一子の息子で大西利空君演じる一臣君には、優しい接し方になっているんだと思います。
――ご自身と遼で似ていると思うところはありますか?
遼って、順調に段階は踏んでいるようで、意外と失敗しながらきていて。実は、僕も結構失敗だらけなんです(笑)。この現場でも何度もNGを出してしまったり、失敗して学ぶことが多いので、そういう部分ではすごく似ているし、遼の悔しさとか「このヤロー、次は絶対負けねぇ」みたいな感じはすごく分かります。
――11話では、遼が「(自分の芝居は)芝居のための芝居」「いっつも冷めている」、遼のライバル俳優・鷲見右京は「僕が演じたのは僕自身(なので役を演じていない)」というそれぞれ対照的な悩みを明かしていたのが印象的でした。ご自身は遼と右京なら、どちらのタイプだと思いますか?
これは、今まで考えたことがなかったですね。台本を読んで「そういう考え方があるんだ」と。確かに考えてみると、自分に近いキャラクターというのは、その時の感情が出やすいし、自分と真逆のキャラクターとなると、“演じている自分”がいるというのも分かります。自分はどちらのタイプなのか、あるいはどちらでもないのかと考えるようになりました。
もちろん、お芝居に正解はなくて、見た方がどれだけ楽しんでくれるか、どれだけ感情移入してくれるかだとも思っているので、それを最大限にやろうとは思っています。
――現場で仲間さんから演技のアドバイスをもらうことはあるんですか?
何度もここをどうしようかという相談をさせてもらったんですが、本当に丁寧に返してくれるんです。僕が腑に落ちていないなって思うと、前室でせりふにも付き合ってくださるんですよ。そこまでしてくださる方いないですよね。仲間さんは常に自分のことより周りのことを考えているんだなって感じます。
――そんな仲間さんが演じるマネジャー・一子ですが、遼にとっての一子のように、マネジャーの存在というのは、やはりご自身にとっても大きい存在ですか?
もちろん大きいです。このドラマでもそうですけど、マネジャーさんやスタッフさんが寝る暇もなく動いてくださっているからこそ、僕らはこうして舞台の上に立ててるんだなって。
――俳優としての目線で見て、一子のようなマネジャーはどうでしょう?
最高じゃないですか! あんなに自分のために動いてくれて、いてくれたら本当に最高だと思います。「一緒に頑張ろうよ!」という姿勢は、マネジャーじゃなくても、いいですよね。
【「美女と男子」出演の町田啓太 葛藤する遼を見て!に続く】
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