ドイツのミステリー作家、フェルディナント・フォン・シーラッハ氏の最新著書「禁忌」が日本で舞台化されることを受け、初来日した。弁護士として活躍していたシーラッハ氏は、実際の事件に着想を得て、さまざまな物語を描いたミステリー短編集「犯罪」で文壇デビュー。同作は2012年本屋大賞「翻訳小説部門」にて、第1位に輝いた。さらに、「犯罪」に続く著作「罪悪」を原作にしたドラマ「罪悪~ドイツの不条理な物語~」が、7月11日(土)にミステリー専門チャンネルAXNミステリーにて、日本独占初放送される。
ドラマの放送に先立ち、シーラッハ氏にインタビューを試みた。
自身の著書がドラマ化されることについて、シーラッハ氏は「作品が映像化されることはとても嬉しく思います。それまで自分の頭にしかいなかった登場人物が、実際の人間として動いている姿を見ることはとても感動的でした」と嬉しそうに語った。
また、弁護士だった頃の事件はどの程度作品に影響しているか尋ねると、「弁護士には守秘義務があり、依頼人から聞いた話は絶対に口外できません。なので、いくつかの事件から要素を抜き出し、場所や登場人物を変えて新たなひとつの事件に組み立てていきます。通常1つの事件で資料は2000ページ以上に及ぶのですが、あらゆる事件から抜き出した要素を15ページほどの短編小説にまとめると、現実に起こった事件よりも、より真実味を帯びてくると思います」と作品ができる過程を教えてくれた。
最後に、来日してからは寿司屋や浅草の浅草寺を訪れたという、シーラッハ氏に滞在中の印象を尋ねると意外な答えが返ってきた。「夜は時差ぼけでなかなか眠れず、ホテルの最上階からビルの上に灯る飛行機除けの赤い光をじっと見つめていました。光が点滅する様子が美しく、大変インスピレーションを受け、さっそく執筆を始めましたよ」と日本の夜景が気に入り、次回作へ向けすでに動き出しているようだ。
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