現在、海外を主戦場に活動するケイン・コスギのハリウッド初主演作となる映画「ニンジャ・アベンジャーズ」('13年米国公開)が、日本でもBlu-ray&DVDリリースを果たした。
かつて「筋肉番付」や「SASUKE」(共にTBS系)などのスポーツバラエティーに出演。並外れた身体能力を駆使したパフォーマンスを披露し番組を盛り上げ、'00年代後半からは海外へ本格的に進出。
数作品に出演した後「エクスペンダブルズ」シリーズなどを手掛けるミレニアム・フィルムズ制作の忍者アクション「ニンジャ・アベンジャーズ」でスコット・アドキンスと並んで主演に抜擢され、人気ゲーム「鉄拳」の実写版「Tekken 2: Kazuya's Revenge」('14年米国公開)でも主人公のカズヤを演じるなど、着実にハリウッドでのキャリアを重ねている。
さらに日本でも、ハリウッドの実績を引っ提げて'16年に公開予定の映画「テラフォーマーズ」への出演が決定。原作で衝撃の展開が待ち受けるキャラクター、ゴッド・リーを演じる予定となっている。
そこで今回はケインに「ニンジャ・アベンジャーズ」や彼ならではの“ニンジャ”に対する思い、そして今後俳優としてさらなる飛躍を目指す、未来への展望を語ってもらった。
――「ニンジャ・アベンジャーズ」の格闘映画としてのクオリティーの高さに圧倒されました。主演のスコット・アドキンスさんとの共演はいかがでしたか?
スコットさんとはいつかは一緒に仕事をしたいなと思っていましたので、本当にうれしかったです。でもそれからはハードなトレーニングの毎日で、うれしかったのも一日だけでした(笑)。
――今回の役作りでこだわったところは?
体脂肪を4%まで絞りました。アドキンスさんは体も筋肉も大きくてパワフルなアクションができる人。負けたくなかったので、ブルース・リーのようなスピーディーなアクションで対抗できるようにと思ってトレーニングをしていました。
――体脂肪率4%! 撮影地となったタイでの撮影も過酷だったのでは?
室内と屋外の気温差で免疫力が落ちて風邪もひきやすいし、体には気を使いました。クランクアップ後に空港でハンバーガーを食べたんですが、涙が出るくらいおいしかったのを思い出します(笑)。
――ケインさんの役柄はスコットさんと対になる悪役ですが、悪役を演じてみていかがでしたか?
今までに演じたことのないキャラクターなので、やりがいがあってワクワクしました。アクション以外の部分でも、台本に書いてないバックグラウンドまで作り込んだりしましたね。
――お父さんがアメリカで忍者ブームを巻き起こしたショー・コスギさんであったり、日本では「忍者戦隊カクレンジャー」('94~'95年テレビ朝日系)のニンジャブラックを演じたりと、忍者に縁があると思うのですが、特別な思い入れはありますか?
はい、忍者には縁があると思います。今回も忍者をテーマにしているし、10年前に初めてハリウッドに挑戦したのも「DOA/デッド・オア・アライブ」('07年)の忍者役、リュウ・ハヤブサ役でした。
――「俺は忍者役をやってきた」と製作陣に売り込んだりするんですか?
ははは、そういうのは全然ないです(笑)。たまたま、忍者役が多かったんです。
――それはかなりの縁ですね。もしくは「忍者役はケインにまかせておけば間違いない」と思われているのかも。
そういうのがあったらいいですね。もうずっと忍者をやっていますから(笑)。
――「忍者戦隊カクレンジャー」のニンジャブラックを演じた時はまだ日本語も得意ではなかったと思いますが、当時苦労などありましたか?
やっぱりせりふが大変でした。当時は日本に住み始めて間もなくの仕事で、日本語はほとんどしゃべれないし読めなかったんです。しかも1週間に1本撮らないといけないハイペースだったので、時々せりふを覚えるのが間に合わなくて台本を読みきれずに撮影してました。
――本番ギリギリまでせりふを覚えていたんですね。
当時は深く意味を考えられるほど日本語を知らなかったので、感覚で演技していたところもありました。「だいたいこの辺りで悪い人が来てカクレンジャーに変身するから、そういう顔をすればいい」とかって覚えたり(笑)。
――人知れぬ苦労があったんですね。
漢字も読めなったので、人に「座敷童(ざしきわらし)」って音読してもらって覚えようとしたら、間違えて覚えてしまって、ずっと「ザシキアラシ!」って言っていた回もありましたね(笑)。
―今、同じ忍者がテーマの「手裏剣戦隊ニンニンジャー」(テレビ朝日系)が放送されていますが、ケインさんも機会があればまた出演したいですか?
オファーがあればやってみたいです。でも、もう僕は戦隊の中には入れませんね(笑)。
――実はニンジャレッド役の小川輝晃さんは、「ニンニンジャー」に師匠役でゲスト出演されたんですよ。
へー! そうなんですか。じゃあ僕も師匠役で出してもらおうかな(笑)。
――最後に、ケインさんの今後への展望を聞かせてください。
そうですね。ハリウッドでは、やっぱり僕らは人種の問題もありますし、これからもスムーズに作品に出られるわけではないと感じています。でもその中で自分が得意なこと、自分にしかできないことをやっていかなければいけないんだと思います。
僕の場合はやっぱりアクションですよね。大変ですがこれからもトレーニングで鍛えてアクションを頑張っていきます。その姿を日本のファンの方にも見ていただけたら、すごくうれしいですね!
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