不動産会社のエリートビジネスマンが、消防団に入団したことで、人間的に成長していくドラマ「HEAT」(フジテレビ系)。
主人公のタツヤ(AKIRA)が働く不動産会社の辣腕(らつわん)社長・日比野を稲垣吾郎が演じているが、その日比野の社長室について、美術を担当した竹田政弘氏に話を聞いた。
■「HEAT」美術担当 竹田政弘氏に聞く
――日比野の社長室は、どのようなコンセプトで制作されたのでしょうか?
まずはロケ場所とのマッチングと、そこに稲垣さんのスマートなイメージを重ねてデザインしました。監督からは、ロケの廊下シーンからのつながりを良くしてほしいというリクエストがありましたね。石目の柱型などは、デザイナーのこだわりです。
――社長室で日比野がバラを育てているという設定ですが、バラが印象的な部屋ですよね。
はい、小林(義則)監督がバラに詳しい方なので、いろいろ質問しまして。植木装飾の担当者とも相談しました。
バラのケースは一度購入を考えたのですが、適した大きさやデザインがなく、制作することにしました。(バラのケースは)上部、前面とどこでも開けられて、作業効率が良いようになっています。
――タツヤたちが取り組んでいる都市開発計画“Yプロジェクト”の模型は、どのような所にこだわられましたか?
実際にドラマがどのように展開していき、街が変わるかスタッフの僕たちにも分からない部分が多かったので…(模型は)いろいろな可能性を秘めたものにしました。
公園、駅、商業施設、オフィスビル、マンション、広域道路などを盛り込んでいて、どんな話にも対応できるようにアシスタントプロデューサーと話しましたね。
――社長の日比野が部下のタツヤや濱田(田中圭)にお茶を勧める描写も印象的ですが、日比野はすてきなティーセットを持っていますよね。こちらを選ばれた理由は?
高級感があって、茶器や商品パッケージのセンスが稲垣さんに合っていると思って選びました。画面で味や香りは伝わらないけれど、実際に“マリアージュ フレール”の茶葉の香りを感じてもらって芝居をしていただきたいなと思いまして。
――“マリアージュ フレール”のセットは、実際どのくらいのお値段がするものなんでしょうか?
ティーポットは3万2400円と8万2836円で、カップ&ソーサーで7452円。茶葉100gで2700円から4000円ほどするんですよ。
――社長が持っているだけあって、やはり高級なんですね! ちなみに、日比野デスクの後ろには表彰状やトロフィーが飾られていますが、こちらは賞の設定などはあるのでしょうか?
これまでのクローバー都市開発が携わってきた仕事の証で、コンペなども含めて都市開発に関するさまざまな賞を受賞した設定で作りました。
表彰状などのデザインは、特別な受賞をした感じを出したいと思い、海外の賞状などを参考にデザインしましたね。
トロフィーに関しても同様で、シンプルに、クリスタルを使ったデザインにしています。
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