シンガーソングライターの新山詩織の2ndライブツアー「ハローグッバイ」が、7月18日に東京・恵比寿のLIQUIDROOMでファイナルを迎えた。2ndアルバム『ハローグッバイ』の収録曲を中心に、1stアルバム『しおり』の曲も交えて、新山が全身全霊を込めて22曲を熱唱した。
今回の2ndライブツアーは、7月11日の大阪・umedaAKASO、7月12日の愛知・HeartLand STUDIO、そして7月18日の東京・LIQUIDROOMの全国3都市3公演で行われた。6月17日に発売されたアルバムタイトルがツアーのタイトルにもなっており、各地のファンに最新曲を生で届けた。
最終日のライブはアルバム『ハローグッバイ』でも1曲目に収録の「Winding Road」からスタート。「最後までどっぷり漬かれる時間にしたいと思いますのでよろしくお願いします」という言葉通り、前半をギターのみでパフォーマンスし、後半をバンドサウンドで届けた「分かってるよBand ver.」や、力強い歌声を会場中に響き渡らせた「絶対」などで、初っ端から新山の持つさまざまな魅力を表現した。
MCで観衆を見渡した新山は「いっぱいいますねえ(笑)」と遠い目で、しばしぼうぜん。観客から「しーちゃん頑張って!(笑)」と温かな突っ込みが入るとようやくわれに返り、「今回がツアーファイナルになります。本当に早いですねえ」と感慨深げに振り返った。
また、各地での思い出についても触れた。「大阪では初めてバニラアイス串カツを食べ、名古屋では夜に手羽先を食べ過ぎました…。でも翌朝は『コメダ珈琲』でちゃんと小倉トーストも食べました(笑)」と、オフの時間も満喫できたよう。
「ライブでバンドメンバーのみんなとも絆を深めました」と自信たっぷりに語るが、後ろのバンドメンバーからの反応が薄く、心配になって同意を求めて後ろをそっと振り返る一幕も。これには観客からも思わず笑いが漏れていた。
「歌を歌うことで皆さんと出会えるのはうれしいこと。だからこそこれからも前を向いていきたいです」と真面目な表情で語り、メジャーデビュー前から大切にしているという1stアルバム収録曲「Looking to the sky」を爽やかに披露。かと思えば、2ndアルバム収録曲のロックナンバー『Dear friend』では観客を「タオルを回してくださ~い」と煽り、ロックバンドのコンサートさながらノリノリで観客がタオルを振り回すという一体感も見せた。
本編ラストの「Hello」前には、誰かを思う気持ちが詰まっているという2ndアルバム『ハローグッバイ』に込めた思いを吐露。「“変わらなくちゃ”、じゃなくて“このままでいいんだ”と強く思えたのは皆さんのおかげです。これからもきっと立ち止まってしまいそうになることがあると思うんですが、それでも周りを見ればこんなにたくさんの私の味方、支えてくれる人がいるので、もう大丈夫だなと今なら思えます。こんな私でも皆さんとずっとずっと一緒に進んでいきたいですが、いいですか?これからもよろしくお願いします」と時折涙を浮かべながらも力強く語り、ステージを去った。
その後、「詩織」コールで迎えられたアンコールでは、フラワーカンパニーズの名曲「深夜高速」のカバー、メジャーデビュー曲「ゆれるユレル」を情熱的にパフォーマンス。「きょうでツアーファイナルですが、大阪も名古屋も皆さんも本当に2ndライブツアー自体が最高でした。本当にみんなでこんなにすてきな時間を作ってこられて幸せでした。ありがとうございました」と、さまざまな思いを胸に感謝の言葉をファンに送った。
また、アーティストデビュー3周年になる12月には全国6カ所で行われるライブツアーの開催することが発表された。「12月にライブ会場でまた会いましょう!心からの“ありがとう”と共に。きょうはどうもありがとうございました」と、深々と頭を下げ、この日のラストソングとなる6thシングル「ありがとう」をしっとりと歌い上げて、幕を閉じた。
ロックナンバーからアコースティックギターをそっと演奏するしっとり系のナンバーまで、一つのステージでいろいろな顔を見せてくれた新山。単なる“ギタ女”とひとくくりにはできない底知れぬ魅力を表現した。
メジャーデビュー曲「ゆれるユレル」の歌詞に「変わりたいよ 変われるかな 遠まわりしてるけど 周りの目を もう気にして 踏み出せばいい」とあるが、MCで本人が言ったように、無理して変わろうとせず、このままでいいのかもしれない。
ステージ外では、親戚の子供のような雰囲気を持つかれんな彼女のどこにライブで見せるとてつもないパワーが潜んでいるのか…。だからさ、それは“絶対”ファンなら分かってるよ。
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