「オモ高」の魅力は芳根京子の“真琴力”と歌の力

2015/07/31 08:00 配信

ドラマ

「表参道高校合唱部!」に出演する、芳根京子ら次世代スター候補のキャストたち(C)TBS

毎週金曜に放送中の「表参道高校合唱部!」(TBS系)。“歌の力”で学校にミラクルを起こす痛快な青春学園ホームコメディーとうたうだけあって、ストレートに合唱の魅力を伝えつつキャストたちが青春を謳歌(おうか)しているさまが好評を博している。

事前資料を読んでいた段階では「ありがちな青春ドラマかも?」と思っていたが、オンエアを見てみると全くそんなことはない。そんなことを思ってしまった浅はかな自分をわびたいくらい引きつけられるものがあった。やはり主演の芳根京子をはじめ、主要キャストがフレッシュなメンバーばかりということが目が離せない理由だろう。

連続ドラマ同クール掛け持ちや毎クール続けて出ているような出演者がいないからこそ、「またこの人か」と既視感なく見られるし、キャストそのものが新鮮なのでどう動くのか読めないのが良いところだ。

また、主演の芳根を筆頭に、メーンキャストはおよそ1000人の中からオーディションで選ばれたこともあって本当にキャストたちの歌がうまい。主旋律を歌う森川葵などは、ただうまいというより、アルプスの天然水のように澄み切った清らかな声で、透明感が素晴らしい。

歌の力を見せつけてくれたのが、7月24日の第2話で引きこもりの宮崎(高杉真宙)の家の前で合唱部のメンバーが「翼をください」を歌うシーン。

最初に真琴(芳根)が主旋律をソロで歌い、後でやって来た里奈(森川)が主旋律を引き継ぎ、アイコンタクト一つで真琴が低音ハモリに自然と切り替えるところ。この切り替えがあまりにもスムーズで、絶妙なハーモニーを奏でていた。美子(萩原みのり)、アンドリュー(瑛)、相葉部長(泉澤祐希)がそろって合唱したところはまさに鳥肌モノ。

そして、このドラマの最大の魅力はヒロイン・真琴を演じる芳根の天真らんまんさ。アイドル歌手でもこんなに楽しそうに歌を歌わないんじゃない?と言いたくなるほど、楽しそうに、ノビノビと歌を歌っている姿が好印象だ。

芳根のキラッキラな笑顔が「歌が本当に好き!」という真琴の思いを物語っているようで、画面で見ていてもそれはひしひしと伝わってくる。

芳根の名前ってもともと真琴だったかも?と思ってしまうほど、“真琴”として一本筋が通っており、見ているこちらがまぶしくて目を背けたくなるほどキラキラ輝いている。本筋のストーリーはもちろんだが、合唱のシーンだけを見ても十分満足できるものになっている。

第3話では岡本真夜の名曲「TOMORROW」をみんなで歌い、堀井新太演じる野球部員・桜庭大輔の心を動かそうとする。間違っても油断して合唱シーンを見逃すことのないように…。

【7月31日(金)第3話あらすじ】

表参道高校合唱部は、部員をあと二人獲得しないと廃部という危機的状況。そんな中、真琴や里奈ら部員たちは必死に勧誘活動を続けていたが、真琴は中間テストの成績が悪かったために担任の瀬山(神田沙也加)から、追試をパスするまで部活動禁止を言い渡されてしまう。

程なく、同じく赤点で部活動禁止を宣言されたクラスメートの野球部員・大輔と一緒に追試のための勉強を始めることに。

相葉ら合唱部員たちが文句を言いながらも必死に真琴の勉強を手伝う姿を見て、大輔は合唱部の仲の良さをうらやむ。そんな大輔は、得意な野球で表参道高校に推薦入学したものの、目のけがが原因でレギュラーにはなれず、他の野球部員からも疎まれる存在になっていた。

そのことを大輔の中学生からの親友だった宮崎から聞いた相葉と里奈、美子らは、大輔を合唱部に引き込もうと画策。そんなある日、瀬山が街を歩いていると、ある主婦から怒鳴られている有明(城田優)の姿を見つける。一体、有明は何をもめていたのか…というストーリーだ。

毎回これでもか!というほど青春の一ページを見せてくれる「表参道高校合唱部!」。涙の数だけ強くなる“オモ高合唱部”の合唱を聴けば、何度壁にぶち当たっても、どんな時も明日は来る。