甲子園史上伝説に残る”延長17回”に隠された真実は?

2015/08/01 05:00 配信

芸能一般

'98年の名試合について語る渡辺元智監督(横浜高校)と長島三奈(写真左から)(C)テレビ朝日

ことし100年目を迎える夏の高校野球。毎年、観客を魅了する名試合の中でも、甲子園史上ナンバー1ゲームとの呼び声も高い'98の準決勝「横浜高校×PL学園」の試合に迫る「神様に選ばれた試合~高校野球100年 知られざる奇跡の裏側~」(テレビ朝日)が8月2日(日)昼1時55分から放送される。

横浜高校のエースだった松坂大輔投手が延長17回、250球あまりを一人で投げ抜き、名門PL学園との壮絶なシーソーゲームを制した1戦。17年たった今、関係者への取材から新たな真実が浮かび上がった。

試合は横浜高校エースの松坂投手が序盤2回裏に26イニングぶりの失点となる3失点。横浜高校・渡辺元智監督も「何で打たれるのか? ストレートも変化球もドンピシャ。ひょっとしたら負けるんじゃないかと一瞬考えた」と焦りを見せていた。

当時の裏話として、PL学園の三塁コーチャーをしていた平石洋介キャプテン(現・東北楽天ゴールデンイーグルス一軍打撃コーチ)が、キャッチャー小山選手の癖から松坂投手の球種を見抜き、三塁コーチャーズボックスから大きな声でバッターに伝え、松坂投手を打ち崩したとされていた。「球種伝達」は今でこそ禁止されている行為ではあるが、当時はPL学園をはじめ、多くの学校が用いていた手段でもあった。

試合序盤、松坂投手からヒットを放った大西宏明氏(元・横浜ベイスターズ)にあらためて取材すると「甲子園の大歓声の中では本当に一切聞こえなかった。平石の声で球種を絞ったということはなかった」と意外ともいえる答えが明らかになった。

それでも当時の映像を確認すると、三塁コーチャーズボックスから声を張り上げる平石キャプテンの姿が映し出される。バッターに伝えていたのではないとすると一体何のために声を上げていたのか? 「PL学園の頭脳」ともいわれた平石コーチに聞くと「大輔が崩れないので…」と語ってくれた知られざる真実も。

そこにあった、およそ高校生とは思えない頭脳的プレー。それがあの死闘の幕開けとなった。PL学園はいかにして“怪物・松坂大輔”を追い詰めていったかが明かされる。

また、PL学園のKKコンビとして3度夏の甲子園決勝に進出した桑田真澄が、唯一黒星を喫した取手二高との1戦を、当時の取手二高の木内幸男監督の証言などを基に検証する他、「がばい旋風」を巻き起こした'07年の佐賀北高校の歴史的優勝を当時の佐賀北ナインの証言で振り返る。

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